□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月22日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 下げきれない原油相場、トランプ大統領が引き起こした需要不安と供給不安 =================================== <需要見通し悪化でも崩れない原油相場> NYMEX原油先物相場は6月上旬、8月上旬と二度にわたって、1バレル=50ドル水準にサポートされている。4月23日の66.60ドルをピークに上値は着実に切り下がっており、7月16日を最後に1カ月以上にわたって60ドル割れの状態が続いている。ただ、本格的な値崩れを起こすには至っておらず、強弱評価が難しい地合が続いている。 8月入りしてから世界経済の見通しは大幅に悪化しており、資源価格は総じて価格水準を大きく切り下げている。米中対立が長期化、深刻化の様相を呈する中、中国経済の減速が資源需要の伸びを抑制するとの見方に自信を強めている向きが増えているためだ。例えば、鉄鉱石相場は8月入りしてから既に30%下落している。7月には1トン=120ドルを超えていたのが、100ドル割れでも下げ止まらず、足元では80ドル台前半まで値下がりしている。直接的には資源大手BHPが来年に向けての価格低下見通しを示したことがある。今年はブラジルの鉱山ダムの決壊などで短期供給障害が発生したが、その影響が解消に向かう中、中国などの経済活動停滞の影響が鉄鉱石価格に反映されるとの見方である。… … …(記事全文3,874文字)