□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月20日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 世界経済が更に減速すると、コーヒー相場は更に値下りする? =================================== <降霜被害には議論があるものの> ICEコーヒー先物相場は、1ポンド=100セント割れ定着が進んでいる。5月7日の87.60セントをボトムに、6~7月上旬にかけては主産地ブラジルの降霜リスクを織り込む形で、7月5日の115.65セントまで急伸していた。しかし、結果的にはコーヒー生産高見通しに大きな修正を迫るような供給障害は報告されておらず、最大で28.05セントまで織り込まれたリスクプレミアムの大部分が正当性を失う中、7月下旬、そして8月と急落地合に転じている。しかも、8月はグローバルなリスクオフ環境がブラジル通貨レアルの急落を促がしたこともネガティブ材料視され、下げ足が加速している状況にある。 今季のブラジルでは久しぶりに降霜リスクが現実的な脅威として議論され、実際に7月上旬には一部地域で降霜が発生したことが確認されている。サトウキビの生産などにも影響が報告されており、グローバルな異常気象がブラジル産農産物生産にも一定の影響を及ぼしたのは間違いない。ただ、これがブラジル産の供給不安を高めるような動きだったかと言えば、マーケットの答えは「ノー」になる。… … …(記事全文3,353文字)