□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月19日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== OPEC月報は需給バランスの乱れに危機感表明、しかし産油国の対応は鈍い =================================== <OPECが需要見通し引き下げ> 石油輸出国機構(OPEC)は8月16日に発表した最新の「Monthly Oil Market Report」において、2019年の世界石油需要見通しが前年比で日量110万バレル増加するとの見通しを示した。前月からは4万バレルの下方修正となる。17年は173万バレル、18年は141万バレルと急激な伸びが続いていたが、今年は一気にペースダウンが進む見通しになっている。さすがに需要の伸びが止まるとまでは考えられていないが、石油需要の規模そのものが拡大する中にあって、需要の伸びは昨年の78%水準に留まる見通しになっているインパクトは大きい。 OPECはこの点について、「上期のOECDアメリカ、その他アジア、中東の需要データが予想を下回った」影響を指摘しているが、世界経済見通しの不確実性が高まる中、見通しにはダウンサイドリスクがあると指摘している。世界経済成長見通しは0.1%下方修正されて3.1%増とされているが、特に貿易関連のリスク状況によっては、今後数週間以内に更に下方修正を迫られる可能性があり、9月にも下方修正が行われる可能性があるとの警告を発している。… … …(記事全文3,848文字)