□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月16日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 逆イールドのアノマリー、景気減速ではなくリセッションを織り込む金相場 =================================== <逆イールド発生の一般的な見方> 米国債市場では、8月14日の取引で2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が発生した。通常、債券利回りは償還までの期間が長い長期ゾーンの方が、償還までの期間が短い短期ゾーンよりも利回りが高くなる。しかし、幾つかの条件が重なると逆転現象が発生することになり、それを逆イールドと呼ぶ。今年は既に一部のタイムゾーンで何度か逆イールドが発生していたが、2年債と10年債はともに指標性が高いため、これまでの逆イールドとは異なるマーケット・インパクトを生み出すことになる。 逆イールドは幾つかの発生パターンがあるが、今回は主に長期金利の低下圧力が強くなっていることが、逆イールド化を促している。短期金利は足元の金融政策環境に強く反映するが、長期金利は市場参加者の今後の景気見通しを強く反映するため、今回の逆イールド発生はマーケットの景気見通しが異常と言えるレベルまで悪化していることを意味する。… … …(記事全文4,009文字)