□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月14日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== コスト安の限界に到達した天然ゴム、世界同時金融危機後の最安値圏 =================================== <上値重い展開が続く> 東京商品取引所(TOCOM)の天然ゴム先物相場は、3月4日の1㎏=209.50円、6月7日の207.90円と二度にわたって上昇トレンドを形成したが、7月以降は調整色を強め、8月6日安値は160.70円に達している。期先ベースでは昨年12月12日以来となる約8カ月ぶりの安値更新になるが、その後は約1週間にわたって安値更新が見送られ、上値は重いものの下げ一服感も見受けられる中途半端な地合になっている。 今年のゴム相場は、年初から供給不安との付き合い方を考え続ける展開が続いていた。エルニーニョ現象の発生によって天然ゴムの主産地である東南アジアでは乾燥傾向が強まり、供給サイドのリスクを織り込むべきか否かが議論され続けていた。マーケットは5月中旬から6月中旬にかけて約1ヵ月にわたってリスクプレミアムの加算を進めてきたが、こうした供給不安が「杞憂」と判断せざるを得ない状況に陥る中、6月下旬から8月初めにかけて急落地合を形成している。… … …(記事全文3,859文字)