□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月06日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 株価よりも大きく下げた綿花相場、もう中国は米国産を買わない危機感 =================================== <ブレーキが亡くなった米中対立> 米中対立の激化でマーケット環境は一気に不安定化している。7月30~31日の米中通商協議が不調に終わる中、まずはトランプ米大統領が対中追加関税方針を発表し、緊張感を一気に高めた。通商協議が不調に終わった以上、圧力を掛けて中国側に譲歩を迫る必要があるというのがトランプ大統領側のロジックである。一方、中国側はこうした圧力に屈して譲歩を繰り返すことを明確に拒否しており、だからこそ5月の通商協議は破たんして、6月の米中首脳会談で仕切り直しを行ったはずだった。しかし、トランプ大統領には圧力以外の交渉ツールがない模様であり、改めて制裁関税強化の方針を示すことで中国側に譲歩を迫った。 一方、中国側はもはや「圧力→譲歩」を繰り返すことはないと方針を固めている以上、従来であれば効果があったこうしたトランプ大統領の圧力は大きな意味を持たなくなっている。中国側は直ちに報復措置を講じると警告し、更には8月5日の取引で中国通貨人民元が1ドル=7元の節目を突破する人民元安・ドル高を許容する姿勢を示した。中国政府は、7元から更に人民元安が進むと資本流出が進むリスクを警戒して、これまでは7元を防衛ラインに設定していた。5月に米中対立の激化で人民元相場が急落した際にも、6.9元台で人民元安は止まっていたが、今回は意図的に人民元安誘導を行った可能性さえも指摘されている。… … …(記事全文4,634文字)