□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年08月02(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米中対立再燃で原油相場は急落、6~7月期のロジックと差異は生じるのか? =================================== <突然の米中通商リスク蒸し返し> 原油相場が急落している。NYMEX原油先物相場は8月1日の取引で1バレル当たり で前日比4.63ドル安の53.95ドルと急落した。7月下旬は55~57ドルの保ち合いから7月31日の58.82ドルまで若干の切り返しを見せていたが、6月19日以来となる約6週間ぶりの安値を更新している。 直接的なきっかけは、米中貿易摩擦に対する警戒感の蒸し返しである。7月30~31日には上海で米中通商協議が開催されていたが、トランプ米大統領は8月1日にほぼ全ての中国製品に関税を課す「対中制裁第4弾」を9月1日に発動すると表明した。約3,000億ドルの中国製品に対して10%の課税が行われることになる。対象となるのは、スマートフォンやノートパソコンなどのIT製品、更には衣料品などとなっている。これまでは、米消費者への影響が大きいとして制裁が見送られていた消費材が全体の4割を占めており、代替品の調達ができなければ米国内で輸入インフレ圧力が強まることになる。… … …(記事全文3,482文字)