□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年07月23日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 地政学リスクを織り込まない原油相場 / 日本の石油備蓄は何日分? =================================== <ホルムズ海峡付近で地政学環境悪化が進む> 中東のイラン情勢が緊迫化しているが、原油相場の反応は鈍い。NYMEX原油先物相場は、7月11日の1バレル=60.94ドルでピークアウトし、18日の54.72ドルまで急落して下げ一服となったが、その後は56ドル水準で揉み合う展開に留まっている。イラン情勢の緊迫化で本格的な値崩れは回避されているが、本格的に地政学リスクのプレミアムを加算するような動きは見送られている。これはICEブレント原油先物相場も同じであり、7月11日高値67.65ドルに対して、足元では63ドル水準での値動きに留まっている。 イラン情勢は、急速に先読みが難しくなっている。米政府のイラン産原油の全面禁輸措置が5月から始まっているが、経済が疲弊したイランがホルムズ海峡付近での動きを活発化させているためだ。経済制裁によって核・ミサイル問題でオバマ前政権以上の成果をあげたいトランプ米大統領と、ホルムズ海峡の原油安定供給を人質に原油の禁輸措置緩和を引き出したいイランとの対立が先鋭化しいる。… … …(記事全文3,646文字)