□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年07月18日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米国がホルムズ海峡の船舶防衛で新構想、湾岸戦争の苦い経験が思い返される日本 =================================== <トランプ米大統領が求める海洋安全保障イニシアチブ> トランプ米大統領は6月24日、自身のTwitterに米国がホルムズ海峡を守る必要性について疑問を投げかける投稿を行った。「中国は91%、日本は62%、その他の国々も同じように、(ホルムズ)海峡経由で石油を輸入している」として、「なぜ我々が代償もなしに他国のために(長年にわたって)船舶の航路を守っているのか。そうした国々はすべて、常に危険な旅から自国の船を自国で守るべきだ」と投稿している。また、「米国は(圧倒的)な世界最大のエネルギー生産国になったのだから、そこに居続ける必要はない!」として、米国におけるホルムズ海峡の重要性が乏しくなっているとの認識も示している。 トランプ大統領が何を意図してこのような投稿を行ったのか正確なことは不明だが、一つはイランが「武器」とするホルムズ海峡の重要性を否定する意図があったのだろう。イランは自国の危機に際しては「武器としての石油」を使う可能性を示唆することで、国際社会の自国に対する圧力を緩和しようと働きかけることも少なくない。実際に米国との緊張が高まる中でホルムズ海峡付近では石油タンカーに対する攻撃が相次ぐなど、イランの犯行かは不明だが、石油の海上輸送のリスクを高めるような動きが散見されている。イラン海軍も、明らかにこれまでとは異なる積極的な活動を行っており、ホルムズ海峡の北側を領有する地政学的メリットを背景に、自国の優位性をアピールし始めている。… … …(記事全文3,870文字)