□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年07月17日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== WGCの半期報告を読み解く ~なぜ金価格は上昇し、年後半はどうなるのか~ =================================== <1~6月期の金価格は高パフォーマンス> 産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、上期終了を受けて「Gold mid-year outlook 2019(金中間展望2019)」を公表した。まずは2019年上期の金相場のパフォーマンスだが10.2%高となり、石油の26.5%高、S&P500の17.3%高などには届かなかったが、「最も良好なパフォーマンスを実現した資産の一つ」と高い評価が下されている。 マーケット環境全体をみると、昨年10~12月期にリスク資産価格は総崩れになったが、株式相場は4月までにその下げ幅をほぼ相殺する動きを見せ、5月に調整局面入りしたがその後は改めて過去最高値更新に向かっている。一方で世界の中央銀行が緩和スタンスを示したことで、各国の国債利回りは数年ぶりの低水準、過去最低まで落ち込んでいる。こうした中、「投資家が上昇する株価と不確実性の高まりのバランスをとる意欲を強めたことが、金価格を急伸させた」と総括されている。… … …(記事全文3,830文字)