□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年07月12日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 「Call on OPEC」からみた国際原油需給、OPECの危機感の源 =================================== <OPEC産原油の推定需要が急減する> 石油輸出国機構(OPEC)は7月11日、最新の「Oil Market Report(OMR)」を公表した。ここでは初めて2020年のOPEC産原油に対する推定需要、いわゆる「Call on OPEC」の公表が始まったが、極めて厳しい数値になった。 OPECの視点では、国際原油需給が最終的にOPEC産原油に対してどの程度の需要(=Call on OPEC)を創出するのかが焦点になる。この「Call on OPEC」の数値が高い程にOPECは大規模な増産を行うことが可能であると同時に、OPECが産油量を抑制すれば国際原油需給を一気に引き締めることが可能になる。逆にこの「Call on OPEC」の数値が低い場合には、OPECは需給バランス・価格維持のためには反強制的な減産対応を迫られることになる。このため、「Call on OPEC」はOPEC産原油の需要環境を示す単純な指標であると同時に、OPECの原油需給・価格コントロール力を表す指標と捉えることができる。… … …(記事全文4,134文字)