□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年07月09日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 東京ゴム市場の歪みが更に拡大中、急落する期先限月と高止まりする期近限月 =================================== <異常ではあるが未経験ではない逆サヤ> 東京商品取引所(TOCOM)天然ゴム先物相場は、6月7日の1㎏=207.90円をピークに、7月9日の取引では一時176.10円まで値下りし、1月30日以来の高値を更新する展開になった。4~5月の190円水準から6月には供給不安を織り込む形で年初来高値209.50円(3月4日)に迫ったが、結局は供給不安を現実化することには失敗し、6月下旬以降は調整色を強めている。 一方で当限に目を向けると、6月21日の240.60円でピークを確認したが、その後も230円水準を維持しており、6月上旬とほぼ同レベルの値位置を保っている。期先限月は高値から30円幅の急落地合になっているが、当限は10円程度の値下りに留まっている。その結果として、当先の逆サヤ(期近高・期先安)は急激に拡大することになり、5月末の23.40円が6月末には40.50円、7月9日時点では53.70円に達している。これは、期先限月が当限に対して6ヵ月の受渡し期間の違いで23.3%ものディスカウント状態にあることを意味し、通常の状態とは言い難い。… … …(記事全文3,501文字)