□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年07月05日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 1~3月期のマーケット環境との類似性が目立ち始めたPGM相場 =================================== <プラチナのマクロ需給は緩和傾向> プラチナのマクロ需給環境には、ポジティブ材料が乏しい。価格低迷にもかかわらず鉱山生産とリサイクル供給は安定しており、長期化する価格低迷が供給サイドに与えたインパクトは限定されている。生産コスト割れが指摘されているが、パラジウムやロジウム相場の高騰もあって貴金属バスケット価格は一定の落ち着きを見せており、厳しい採算環境ながらも大規模な生産調整は要求されなくなっている。既に主要鉱山会社は生産性の低い鉱区の閉鎖など厳しいリストラを進めてきたことで、南アフリカを中心に若干の増産体制を維持できる程度の余裕はある。 一方、需要サイドは「欧州のディーゼル車販売のピークアウト」と「世界経済の減速」が重なったことで、大きなダメージを受けている。欧州では脱ディーゼル車の動きが強くなっており、ドイツの一部都市では走行禁止措置の適用が始まっている。自動車メーカーは最新のEuro 6dへの対応を急いでいるが、「メルセデス・ベンツ」のディーゼルモデル「A 200 d」が初めて路上試験に合格した程度であり、ガソリン車シフトと新エネルギー車シフトが同時進行している状態にある。ユーロ圏の1~5月新車登録台数は前年同期比2.1%減の670万台となっているが、ディーゼル車に関しては最大で5%近い落ち込みとの推計もある。… … …(記事全文4,064文字)