□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年06月28日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== OPEC総会直前でも減産延長を決められないロシア、米中会談決裂なら決まりだが =================================== <ロシアは減産延長の可能性が高いが、まだ不確実> 石油輸出国機構(OPEC)は6月25日に総会、26日に加盟国・非加盟国協議を予定していたが、7月1日と2日に、それぞれ6日間の延期を行った。明らかに6月28~29日の20カ国・地域(G20)首脳会議の結果を見極めたいとの判断に基づくものであり、年後半の産油政策を決定するに際して、出来る限り不確実性を排除したいとの意向がある模様だ。しかも、6月はホルムズ海峡付近で石油タンカーが攻撃され、イランの関与の有無を巡って国際世論は二分している。このタイミングで米軍の無人偵察機がイランのイスラム革命防衛隊によって撃墜されており、地政学環境を見極めるための時間も、1日でも多く確保したいとの意向が働いたのだろう。 OPECに関しては、既に日量120万バレルの協調減産を延長する方向で合意形成が終わっている。世界経済の減速に伴い石油需要見通しに下振れリスクが高まる中、産油政策で市場にネガティブなメッセージを発すると、原油相場の崩壊が促されかねないとの強い危機感がある。OPECバスケットプライスは6月27日時点で1バレル=65.61ドルとなっており、中東産油国の生産コストからみれば決して割安や下げ過ぎといった議論が展開される状況にはない。ただ、財政面での制約から現行価格でさえも不満の声は強く、販売量を削減してでも原油価格を防衛すべきとのコンセンサスが形成されている。… … …(記事全文3,905文字)