□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年06月27日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金とビットコインが同時に急騰している意味、法定通貨以外の選択肢増えるか =================================== <金市場からみた金融緩和> 金価格の変動要因は多岐にわたり、その時のマーケット環境によって何が最重要視されるのかも変わってくる。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、1~5月の金価格は1.78%高となっているが、「金利機会コスト」が金価格を7.16%押し上げる一方、「モメンタムとポジション」が2.18%押し下げたと推計されている。すなわち、金利低下環境で金価格は底固く推移したが、2月に金価格がピークアウトした後の持ち高調整の動きが金価格の上げ幅を限定したとの理解になる。 6月についてはまだ分からないが、6月18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)をクライマックスとした金融政策要因の影響が大きかったことは間違いないだろう。一般的に金価格と(主に米国の)金融政策環境は密接な関係性があり、教科書的には「金融引き締め→金価格下落」、「金融緩和→金価格上昇」となる。利上げなどの金融引き締め環境においては、米金利上昇・ドル高圧力が強まり易く、金保有の機会コストが金利と為替の両面において高まることが、金価格を押し下げるとの理解になる。逆に利下げや量的緩和などの金融緩和局面においては、米金利低下・ドル安圧力が強まり易く、金保有の機会コストが金利と為替の両面において低下することが、金価格を押し上げるとの理解になる。… … …(記事全文3,066文字)