□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年06月19日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 世界の食肉需要にどう応えるか、人口肉という新しいトレンド =================================== <長期穀物需給の鍵を握る飼料需要> 世界では、現在年間26億トン強の穀物(粗粒穀物、小麦、米)が生産・消費されている。過去10年だと年率1.8%、20年だと同1.9%のペースで市場規模が拡大しており、今後も世界の人口が増加し、世界全体の経済成長が続くのであれば、この数値は拡大傾向が続くことになる。 穀物の消費に目を向けると「食用」、「工業用」、「飼料用」の三区分が主なものになる。「食用」に関しては、経済発展のペースの影響も受けるが、概ね人口動態と連動した動きになる。消費者の所得水準が増えても、穀物の消費量が劇的に増える訳ではなく、ある程度は計算できる需要項目になる。「工業用」に関しては主にエタノールなどのバイオ燃料向けになり、この分野は2000年代の原油価格高騰時に急成長したが、近年は非可食植物などに原料をシフトする動きがみられ、成長ペースが鈍化している。… … …(記事全文4,170文字)