□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年06月07日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== FRBは今月にも予防的利下げ? 金相場の大枠シナリオの考え方 =================================== <パウエルFRB議長も政策判断を調整中か> 世界経済はリセッションに向かうのではないか。僅か1か月前、更に言えば2週間前には殆ど話題にされていなかったテーマが、今やマーケットの中心テーマに設定されている。国際通貨基金(IMF)は6月5日、このまま米中両国が互いの全輸入品に対する制裁・報復関税に踏み切った際には、2020年の世界経済成長率が0.5%下方修正されるとの見通しを示している。また6日には関税措置には二国間の貿易赤字を抑制する効果はなく、世界経済に悪影響を及ぼすだけだと米国に対して貿易戦争の早期終結を呼び掛けている。 振り返ってみれば、米国が中国を狙い撃ちにした制裁関税措置を発表したのは2018年7~9月にかけての3段階が最初であり、マーケットは深刻な問題ではあるが、早期に解決に向かうとの楽観的な見方を有していた。あくまでも米中通商協議で有利な条件を引き出すための交渉ツールであって、世界経済に対して深刻なダメージが発生する前には、問題解決が実現するとの見方が優勢だった。もちろん米中の新冷戦とも言われる対立は構造的なものであり、1年や2年といった時間軸で解決されるものではない。しかし、貿易戦争に関しては無秩序に続けるだけの意味はなく、2019年の前半、遅くても中盤くらいには解消に向かうとの見通しが基本になっていた。… … …(記事全文4,025文字)