□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年06月04日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 株価次第の展開が続く原油相場、供給リスクから需要リスクへのテーマシフト =================================== <株価の3倍下げた原油相場> NYMEX原油先物相場は、4月23日の1バレル=66.60ドルをピークに、6月3日安値は52.11ドルに達する急落地合になっている。最大で14.49ドル(21.8%)もの急落地合になっており、200日移動平均線(60.09ドル)、100日移動平均線(58.46ドル)といった長期トレンドラインも下回り、2月11日以来の安値を更新している。 原油需給環境に何か劇的な変化が生じている結果ではなく、主に金融要因に基づくものである。すなわち、通商リスクの深刻化・長期化を受けて投資家のリスク選好性が後退していることが、原油市場からも投機筋の資金引き揚げを促している。株価と原油相場は必ずしも強く連動する必要性は乏しいが、リスクを取れるか否かが中心テーマになっている以上、原油需給を巡る議論とは関係なしに価格に対して下押し圧力が発生しているのが現状である。… … …(記事全文3,930文字)