□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年05月30日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ブラジルの降霜リスクに反応するコーヒー相場、エルニーニョ発生で荒れる農産物相場 =================================== <穀物、天然ゴムに続いて、コーヒーにも危機> 今旬のコモディティ市場では、作付け期のシカゴ穀物相場の急伸が注目されているが、ここにきてコーヒー相場も上昇傾向を強め始めている。ICEアラビカコーヒー先物相場は、5月7日の1ポンド=87.60セントをボトムに、5月29日の取引では100セントの節目を回復する展開になっている。2月から売られ過ぎとの警戒感を抱きながらも一貫して下値を切り下げる展開が続いていたが、ここにきて比較的強めの修正圧力が発生し始めている。3月5日以来の高値を更新しており、直近安値からは最大で14.4%の上昇率が記録されている。 背景にあるのは、南米ブラジルの二つの天候リスクだ。すなわち、「乾燥」と「降霜」である。農産物の生産量は「収穫面積×イールド」で定義されることになり、マーケットは平年並みの作柄を前提にしつつ、収穫期に向けての天候を眺めながら収量予想を修正していくことになる。特に、その際に干ばつや長雨といった異常気象が発生すると供給見通しが一変することも少なくなく、マーケットは異常気象型の天候に対して敏感に反応する傾向にある。… … …(記事全文3,148文字)