□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年05月23日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 中東産原油とWTI原油のかい離拡大、米原油在庫は信頼に値するのか? =================================== <地域で異なる原油> 原油は世界各地で産出されるが、全てが同じものではない。金や銅などは産出された鉱石を精錬すれば原則として産出地が問題になることはないが、原油に関しては産出地によって事実上は異なる資源とも言えるような違いが存在する。その意味では水に近い性質を有しているのかもしれない。 原油の品質を分けるものには、1)API度に代表される比重、2)炭化水素の含有量、3)硫黄や硫化水素の含有量の三区分が存在している。特に比重と硫黄含有量が注目される傾向にあるが、例えばNYMEXで取引されているWTI原油先物は、品質に注目すると「Light Sweet Crude Oil」と名付けられることになる。「Light(軽質)」で「Sweet(低硫黄)」の「Crude Oil(原油)」であり、「軽質低硫黄原油」や「ライト・スイート原油」などと称されることになる。一方、日本に主に輸入されている中東産原油は「Sour(高硫黄、サワー)」で「Medium(中質)」ないしは「Heavy(重質)」な原油になる。米国のシェール革命で産出される原油と、日本が必要とする原油とでは、異なる性質を有している。… … …(記事全文2,987文字)