□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年05月03日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 過去1年の中央銀行の金購入が急増、インドではアプリを使った金投資が始まる =================================== <中央銀行の金購入トレンドは上向き> ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が「Gold Demand Trends Q1 2019」を公表した。今年1~3月期の中央銀行など公的部門の需要は145.5トンとなり、前年同期の86.7トンから58.8トンの急増になった。1~3月期としては2013年以来となる6年ぶりの高水準になる。世界経済をみると、米国は一人勝ちの様相を呈し始めているが、こうした中でも中央銀行はドルを売却し、金を購入するオペレーションを活発に行っていたことが確認できる。 直近4四半期(=1年分)の公的部門の需要は715.7トンとなっているが、これは少なくとも公的部門が金の売り手から買い手に転換した2009年以降で最大規模になる。2017年10~12月期時点だと377.0トンに留まっていたのが、その後は5四半期連続で需要トレンドを上向きに転換させている。ブレトン・ウッズ体制が崩壊してから最大の需要を確認した18年10~12月期時点の656.9トンと比較しても大きく上振れしており、公的部門の金需要はトレンドとして確立したとみて良いだろう。… … …(記事全文3,708文字)