□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年05月02日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 難しい舵取りを迫られるFRB、政治に巻き込まれないためには動かないのが一番? =================================== 4月30日~5月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て、COMEX金先物相場は急落した。5月1日終値が1オンス=1,284.20ドルだったのに対して、引け後にFOMCの政策発表、そしてパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が行われると、一時1,273.80ドルまで10.40ドルの急落地合になっている。今回のFOMCで示された当局の金融政策スタンスは、市場コンセンサスよりもタカ派方向に傾いていたことが窺える結果になっている。 まずはFOMC声明文からみてみると、「労働市場は力強く推移し、経済活動は堅調なペースで拡大した」と総括されている。前回3月19~20日の会合では「労働市場が強さを保った一方、経済活動は昨年10〜12月期の底堅いペースから鈍化した」と総括されており、景況感が3~4月にかけて改善したことが確認できる。これは1月29~30日の会合で示された「労働市場が引き続き強まり、経済活動は堅調なペースで拡大していることを示している」との文言とほぼ同じであり、マクロ経済評価に関しては3ヵ月前の水準まで回復した状態と言える。… … …(記事全文3,737文字)