□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年02月08日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ベネズエラで金準備資産が失われている、流動性危機は最終局面へ =================================== <ベネズエラで売却が加速する金準備> 南米ベネズエラの金準備資産が失われつつある。チェベス前大統領の死去に伴いマドゥロ大統領が誕生した2013年4月時点では367.6トンの金準備資産が存在していたが、経済危機の深刻化した2015年以降に取り崩しが加速し、国際通貨基金(IMF)の最新報告だと161.2トンとされている。しかし、ここにきて公式統計には反映されていない売買報告が多数確認されており、ベネズエラの金準備資産が現時点でどの様な状態にあるのか、把握できない状態になっている。 例えば2月6日にはReutersが、ベネズエラ政府が73トンの金をトルコとUAE向けに、国会の承認なく売却したと報じられている。国会議員Carlos Paparoni氏によると、アブダビの投資会社Noor Capitalが27.3トン、トルコ企業が23.9トン、それぞれベネズエラ中央銀行から金を購入したとされている。具体的な証拠が提示されていないものの、売却先と名指しされたNoor Capitalは、1月21日に3トンの購入を行ったことを認めている。今後はベネズエラ情勢が安定化するまで購入は行わないとしているが、少なくとも一定規模の売買が行われていたことは間違いなさそうだ。… … …(記事全文3,702文字)
