□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年01月28日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== FRBは利上げ停止のみならずBS縮小も停止か、米金融政策が押し上げる金価格 =================================== <WSJの報道で過熱するバランスシート政策の議論> 1月25日の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道が、金市場に強い衝撃を与えた。「Fed Officials Weigh Earlier-Than-Expected End to Bond Portfolio Runoff(FED当局者は、バランスシート(保有資産)縮小を予想よりも早期に終了させることを検討)」との記事を受けてである。この記事を書いたのはWSJの著名なFEDウォッチャーであるNick Timiraos氏だが、同記事では米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は、利上げ停止と同時にバランスシート縮小政策の見直しについても決定に近づいていると報じられている。 1月29~30日には今年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、同会合では特に政策調整は想定されていなかった。ただ、米政府機関閉鎖が(解消はされたが)1カ月以上も続き、更に米中貿易摩擦問題についても1月30~31日の米中通商協議で大幅な進展がみられるか分からない状態が続く中、FRBの政策スタンスは間違いなく大きく変わっている。現実の景気減速圧力に直面している訳ではないが、先行き不透明感が強くなっていることは否めず、しかもその不透明感が主にダウンサイド・リスクに傾斜する中、金融政策正常化プロセスにはブレーキが掛かり易くなっている。… … …(記事全文4,051文字)
