□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年01月15日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 今年のWGCの金価格上昇ロジックは? 金融市場のボラティリティに重点 =================================== <2018年の金価格は10月に転換期> 産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が「The gold market in 2019」を公表した。組織の性質上、常に強気方面にバイアスが掛かったレポートであることには注意が必要だが、2019年の金価格上昇ロジックを確認する上では有用性が高いものになる。 まずは2018年の金相場であるが、「1年の大部分で強い逆風に直面した」として、主にドル高の影響を指摘している。米連邦準備制度理事会(FRB)が着実に利上げを進める一方、米国以外の国の中央銀行は緩和政策を維持した影響である。また、トランプ政権の減税によって、米経済が押し上げられた影響も指摘されている。結果的に、少なくとも10月までは強気の投資家マインドが株価を押し上げ、金価格を下押しした。ただ、地政学リスクやマクロ経済のリスクは維持され、10月以降は新興国株や米ハイテク株の急落でショートカバー(買い戻し)が促された結果、前年比では1%安の1オンス=1,280ドルと大きな値崩れは回避されたと総括されている。… … …(記事全文4,353文字)
