□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年11月06日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 大幅増益のエクソン・モービル、原油高を追い風に米国回帰を進める =================================== <豊富なキャッシュフローで米国に回帰するエクソン> エクソン・モービルが11月2日に発表した7~9月期決算では、増収増益になった。純利益は前年同期の39.70億ドルから62.40億ドルまで57.2%増加している。直近で原油価格が急騰した2017年10~12月期の83.80億ドルには届かなかったが、原油高の影響で上流部門の収益環境が改善しており、極めて良好な決算環境を実現することに成功している。 上流部門に限定すると、純利益は前年同期が15.67億ドルだったのに対して、42.29億ドルまで169.9%の増益になっている。2017年10~12月期の83.52億ドルには届いていないが、16年1~3月期や10~12月期には赤字を計上していたのと比較すると、隔世の感が強い数値になっている。1~9月通期だと107.66億ドルになり、前年同期の50.03億ドルからはほぼ倍増している。14年には220.80億ドルだったのが、15年に62.44億ドル、16年に8.38億ドルとほぼ利益を稼ぎ出すことができない状況に陥っていたが、17年には50.03億ドルまで回復し、その増収トレンドを今年も維持した格好になる。原油相場急落前の200億ドル水準と比較すると依然として見劣りするが、収益環境の視点だと概ね原油価格急落前の半分程度の収益を上げることができる環境になっている。… … …(記事全文4,143文字)
