□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年10月24日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金市場からみた現在の投資環境、不確実性への備えはまだ限定されている =================================== <先行き不透明感が高まる投資環境> 今年の金市場では、「安全資産としての金は終わった」といった議論も頻繁に耳にした。米国のトランプ政権が引き起こした貿易戦争で投資リスクが高まれども、投機マネーは専らドルに対するシフトに終始し、金市場に対する資金流入は確認できなかったためだ。もはや金はオールドマネーとして金融市場のシステムから除外され、長期低迷状態に突入したとも言われたが、10月のマーケット環境を見る限りでは、金の安全資産性を巡る評価には何ら変化が生じていなかったことが確認出来る。 10月10日以降に米国株が突然の急落地合に転じると、低迷状態が続いていた金相場は安値からの切り返しを見せている。COMEX金先物相場は1オンス=1,200ドル水準でのボックス相場と化していたが、今回の株価急落を受けて1,230ドル水準まで、概ね30ドル幅のコアレンジ切り上げが促されている。10月23日高値は1,243.00ドルとなっているが、これは7月17日以来となる約3カ月ぶりの高値更新を意味する。… … …(記事全文4,571文字)
