□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年10月17日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 株価急落局面で独自色を示した穀物相場、トウモロコシは需給相場に向けて堅調か =================================== <穀物市場の特殊性が際立った10月マーケット> 10月のマーケットは、2月に続いて米国発の世界同時株安に見舞われた。1)米長期金利の急伸、2)米中対立の深刻化、3)7~9月期決算発表のイベントリスクなど幾つかの要因が指摘されているが、いずれにしても10~11日にかけて強力なリスクオフ圧力が発生したのは間違いのない事実である。9日終値と11日終値を比較すると、ダウ工業平均株価は5.2%安となり、僅か2営業日で株式市場はその評価額の5%強を失ったことが確認できる。また、ドルインデックスは0.7%安、米10年債利回りは2.4%安、WTI原油先物は5.3%安、COMEX金先物は3.0%高となっている。代表的な安全資産である金は、こうした極端なリスクオフ環境におけるポートフォリオの棄損を限定する効果を有していることが再確認できる。 ちなみに9日終値と16日終値で比較すると、ダウ工業平均株価が2.4%安、WTI原油先物が4.1%安に対して、COMEX金先物は3.3%高となっている。株価の戻り圧力に対して原油相場の戻りは鈍く、金に至っては逆に相場水準を更に切り上げていることが確認できる。16日の米国株がユナイテッド・ヘルス、ジョンソン&ジョンソン、ゴールドマン・サックスの好決算を背景にダウ工業平均株価は30銘柄全てが上昇する展開になった。10日と11日に30銘柄全てが下落していたのと比較すると、相場が転換期を迎えた可能性が強く示唆されている。ボラティリティ指数(VIX)も危険水域の目安とされる20ポイントを漸く割り込んだが、やはり金相場が落ち着きを取り戻して、初めてマーケット環境の鎮静化が実現したとの評価が確立することになるのだろう。一つずつ、リスクオフが一服したことを確認するデータを収集する時間帯になる。… … …(記事全文4,784文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)