□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年10月18日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 早期の利上げ中断・休止の先取りは危険、FOMC議事録はやはりタカ派 =================================== <FOMC議事録は最近の米金利上昇を支持> 米連邦公開市場委員会(FOMC)は議事要旨(9月25~26日開催分)を公表した。10月のマーケットでは、主に債券市場が米金融政策評価・見通しをタカ派方向に修正したことが米長期金利の急伸を促し、それが更には米国発の世界同時株安を促していたが、その評価が正しかったか否かを判断する重要なイベントになる。仮にここで段階的な利上げ継続への警戒感・恐怖心を強めているマーケットの判断を裏付ける内容になれば米金利上昇・ドル高圧力が継続する一方、予想されていた程に利上げに積極的ではないとの安堵感が広がれば米金利低下・ドル安圧力が本格化することになる。 結論としては、かなりタカ派方向に傾斜した内容になっており、米金利上昇・ドル高圧力が支持され、金相場に対してはネガティブ材料との評価が基本になる。同議事録では、「出席者全員が、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標引き上げによって、金融政策を段階的に引き締めるアプローチが適切との見解で一致した」と記されている。すなわち、FOMC内で段階的な利上げサイクルに明確に反対するような声は存在しなったことが確認されている。当然に、ドル高や鉄鋼・アルミの輸入制限、米中貿易戦争などが景気に及ぼす影響についても協議が行われているが、「ほぼ全ての出席者が経済見通しにあまり変化はないとの見方」を示しており、米実体経済に対してはかなり楽観的と言える評価が下されている。寧ろ、「何人かは最近の統計はこれまでの予想よりも経済活動が活発であることを示している」との記載からは、経済成長の上振れリスクを想定している向きも居たことが確認できる。… … …(記事全文4,560文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)