□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年10月02日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ネガティブ材料の消化を進めるトウモロコシ相場、豊作でも安値には限界あり =================================== <ハーベスト・ローを確認している可能性> CBOTトウモロコシ先物相場は、8~9月にかけて豊作と収穫による供給プレッシャーに対する警戒感を背景に下押しされ、9月18日の取引で1Bu=342.50セントまで下落した。これは一代足での年初来安値更新になる。米農務省(USDA)は8月と9月需給報告(WASDE)において過去最高のイールド(単収)見通しを示しているが、大量のトウモロコシが農地から倉庫に移管されてトウモロコシの流通システムに組み込まれる時期が近づく中、トウモロコシ相場は素直に下押しされた。 USDAのイールド見通しは、トレンドイールド(傾向単収)の174.0Bu/エーカーに対して、8月報告で178.4Bu、9月報告では181.3Buまで上昇修正され、トレンドを4.2%も上回る記録的な豊作環境が実現する見通しになっている。トウモロコシ市場においては、過剰在庫を取り崩すために作付面積削減による生産調整が実施されており、2016/17年度の9,400万エーカーに対して、17/18年度が9,020万エーカー、18/19年度が8,910万エーカーまで面積を削減している。このため、本来であれば生産高の下振れによって在庫調整が進む所だが、18/19年度の生産高見通し148.27億Buは17/18年度の146.04億Buを上回っており、異常なレベルの豊作環境によって生産量の二年連続の削減は回避される見通しになっている。… … …(記事全文3,978文字)
