□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年07月04日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金相場の短観です。金相場の軟調地合が続いていますが、昨年との比較などを通じて現状分析と今後の展望を行います。 =================================== 金利とインフレとのバランスの歪みがもたらす金相場の下落リスク =================================== <2016年との類似性が目立つ金相場> 金相場が急落している。COMEX金先物相場は、6月6日の1オンス=1,298.80ドルをピークに、7月3日終値では1,219.20ドルまで値位置を切り下げている。高値からの下落幅は最大で80.80ドル(6.2%)に達しており、僅か1カ月前には1,300ドル台乗せを窺う地合になっていたのが、今や1,200ドル割れさえも意識される展開になっている。 2017年前半の金相場は、専ら米欧の政治リスク、地政学的リスクなどを背景に上値追いの展開になっていた。トランプ米大統領の政策運営、フランス大統領選、イギリスの欧州連合(EU)離脱手続き、更には本日もミサイル発射実験を行っている北朝鮮有事の可能性など、投資環境が瞬時に一変するリスクを抱えた状態になっていたことが、安全資産である金価格を刺激していた。その意味では、昨年前半にブレグジット(Brexit=イギリスのEU離脱)で上昇したのとほぼ同じ相場展開が実現し、その当時と同様に政治リスクの息切れが、改めて金相場の上値を圧迫しているとの理解で良いだろう。… … …(記事全文4,077文字)