□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年06月21日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。プラチナ相場の短観です。最近の価格形成のロジック、パラジウム相場との関係、鉱業憲章の改正を巡る議論などについて検証します。 =================================== 南アで鉱業憲章改正、プラチナ供給へのリスクと価格へのリスク =================================== <金価格との高い連動性を維持> NYMEXプラチナ先物相場は、6月6日の1オンス=969.50ドルをピークに、920ドル水準まで軟化する展開になっている。5月は「ロシア・ゲート」問題に象徴される米政治環境の不安定化が、安全資産の観点から金相場と同様にプラチナ相場も刺激していた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルに対する不透明感が強く警戒されたこともあり、4月24日以来の高値を更新してた。しかし、6月入り後は米金融政策に対する過度のハト派評価が後退する動きと連動して調整売りが膨らみ、5月12日となる約5週間ぶりの安値を更新している。 同じ白金族金属(PGM)のNYMEXパラジウム相場は、5月22日の748.50ドルをボトムに6月9日の891.35ドルまで急伸した後も、850~870ドルの高値水準を維持している。期近主導の急伸地合には一服感が浮上しているが、高値是正の動きは鈍く、年初来高値圏にコアレンジを形成している。しかし、プラチナ相場はこうしたパラジウム相場環境に関係なく調整売りに下押しされており、年初来高値1,047.80ドル(2月27日)よりも年初来安値894.50ドル(5月4日)更新のリスクの方が強く警戒される状況になっている。… … …(記事全文4,402文字)