□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年12月10日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。 USDAから今年最後となる需給報告が発表されました。今報告は特に大きな修正は想定されていませんでしたが、実際にUSDAは前月で示した需給見通しを概ね追認する姿勢を示しています。ただ、今後の穀物需給を考える上で無視できない修正も幾つか確認されているため、トウモロコシと大豆需給見通しのポイントを網羅的に解説します。 =================================== USDA12月需給報告は無風通過、米国産の需給相場と南米産の天候相場が続く =================================== <米国産大豆需給見通しに変化なし> 米農務省(USDA)は12月9日、最新の需給報告(WASDE)を発表した。既に米国産穀物の収穫作業は終わっており、今報告では1)USDAが最近の価格低下などを受けて需要見通しの修正に踏み切るのか、2)生育期を迎えている南米産の生産・輸出見通しの修正があるのかの二点が、主なテーマになっていた。即ち、「米国の需給相場」と「南米の天候相場」の二つを、どのように穀物相場に織り込んでいくのかが問われていた。特に最近のシカゴ穀物相場が手掛かり難から膠着感を強める中、USDAが新たな相場テーマを提供できるのかが注目を集めていた。… … …(記事全文6,499文字)