□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年12月02日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。 11月30日に、米国のバイオ燃料使用義務量を策定する新たな再生燃料基準が発表されました。穀物相場はこの発表に一応の買い反応を示していますが、実際にどのような数値が発表されたのか、その数値をどのように評価すれば良いのかを検証します。短期の相場動向には大きな影響がない議論と考えていますが、バイオ燃料の生産トレンドは、穀物相場のみならず原油相場の行方を考える上でも重要です。 =================================== 新しい再生燃料基準が策定される、原油安でもバイオ燃料に依存する米国 =================================== <トウモロコシは、食糧かエネルギーか?> 米農務省(USDA)によると、米国産トウモロコシのエタノール向け消費は2015/16年度で51.75億Buが予測されており、総需要136.55億Buの実に37.9%を占める巨大な需要項目になっている。最大項目である飼料・その他が53.00億Buであり、米国においては家畜の飼料に消費されるトウモロコシとほぼ同量が、エタノール生産のために消費されている計算になる。そのエタノール生産の副産品である乾燥蒸留かす(DDGS)は飼料に回されるので単純に比較はできないが、米国においてはエタノール生産にどの程度の量のトウモロコシを消費するのかが、トウモロコシ需給や価格形成に極めて大きな影響力を有していることが確認できる数値になっている。… … …(記事全文4,333文字)