□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年11月16日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。 原油相場の軟調地合が続いています。直接的にはドル高の影響が大きいと考えていますが、それと同時に原油需給に対する弱気見通しが蒸し返されている影響も指摘しない訳には行かない状況です。今回はIEA月報の内容を中心に、原油需給に関する最新動向を解説します。IEAがどのような需給見通しを示し、それが何を意味するのかを検証します。また、メディアでは余り大きく取り上げられていないIEA月報の注目点についても紹介します。 =================================== 原油相場ベア派は冬篭りの必要なし? 先進国の在庫は過去最高へ =================================== <IEAとOPECが同時に過去最高の在庫を報告> 国際エネルギー機関(IEA)は11月13日、最新の月報(Oil Market Report)を発表した。IEAは10月月報において、「状況は変化している(Tippng The Balance)」として、「2016年を通じて過剰供給が続く可能性が高い」との見通しを示し、多くの原油市場関係者を失望させていた。それから1ヶ月が経過して原油需給均衡化期待を再び高めることができるか否かが注目されていたが、今回ヘッドラインとして入ってきたサブタイトルは「30億バレルのクッション(3 Billion Barrel Cushion)」というものであり、逆に国際原油需給の緩和状態が改めてクローズアップされる結果に終わっている。… … …(記事全文4,697文字)