□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月26日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金価格は10月入りしてから急伸しましたが、ここにきて冷静さを取り戻しつつあります。中国人民銀行が約2ヶ月ぶりに追加緩和に踏み切りましたが、金価格はこうした中国の緩和マネーを手掛かりに改めて地合を引き締めることにも失敗しています。なお先行き不透明感の強い相場環境にありますが、ここ2週間ほどの金価格動向のロジックを確認した上で、今後の金価格を考えるポイントを検証します。 =================================== 中国の追加緩和でも上がらない金価格、改めてドルに回帰する投機マネー =================================== <米利上げ期待が高まらない中での金相場軟化の意味> COMEX金先物相場は、10月15日の1オンス=1,191.70ドルをピークに、23日終値では1,162.80ドルまで値位置を切り下げた。高値からの下落幅は最大で33.10ドル(2.8%)に達しており、終値ベースとしては10月9日以来となる2週間ぶりの安値を更新している。なお、ネガティブ・サプライズとなった9月米雇用統計発表前の1,110ドル水準を大きく上回った状態にあるが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見送り観測を背景とした金価格の急伸地合に対しては、一定のブレーキが掛かったことが確認できる状況にある。… … …(記事全文4,679文字)