□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月23日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。米国産穀物の収穫は最終ステージを迎えていますが、改めて今年度の天候相場について総括します。過去最悪の豪雨に見舞われる中、どのようにイールド見通しが修正されてきたのか半年間の動きを振り返った上で、洪水発生時の穀物供給環境への影響について、一般化も進めたいと思います。また、最新の南米産の生産環境、今後の穀物相場をみる上でのポイントなどについても検証します。 =================================== 収穫圧力の消化が進む中、コーンと大豆に微妙な違いが生まれる =================================== <改善し続ける米国産穀物の生産性> 米農務省(USDA)の「クロップ・プログレス」によると、10月18日時点での収穫率はトウモロコシが前週比+17%の59%(前年同期30%、平年54%)、大豆が同+15%の77%(前年同期51%、平年68%)となった。収穫期序盤はトウモロコシの遅れが目立ったが概ね平年並みのペースで収穫作業を終了できる目処が立っている。大豆は10月中にほぼ全ての収穫作業を終え、トウモロコシに関しても収穫終了までの目処が立とう。作況報告も既に大豆の発表は終わっており、トウモロコシも10月26日に発表される次回報告では作況報告は行われない見通しになっている。名実ともに、2015/16年度の米国産穀物の生産高は確定され、天候相場には完全に終止符が打たれることになる。… … …(記事全文6,309文字)