□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月15日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。米雇用統計を受けてFRBの早期利上げ期待が後退する中、金相場同様にプラチナ相場も安値是正の動きを進めています。基本的には金価格に連動した値動きですが、金価格とプラチナ価格を支配する論理の違いも考慮する必要があります。最新のプラチナ相場環境、内部要因環境、プラチナ価格がピークアウトする条件、VW問題の続報などについて検証します。 =================================== VWは電気自動車への戦略シフトを宣言、不確実性増すプラチナ需要見通し =================================== <PGMの反発はショートカバーが主力、金は新規買いも> 10月2日に発表された9月米雇用統計がネガティブ・サプライズになったことを受けて、貴金属市場を取り巻く投資環境は一変した。従来は米連邦準備制度理事会(FRB)が年内利上げに踏み切るのは確実との見方が、貴金属市場からドルに対する資金シフトを促していた。米金融政策環境の正常化はドルに対する信認回復が進むことを意味し、ドルに対する代替性や安全性が重視される傾向にある貴金属を保有する必要性が薄れるためである。しかし、9月米雇用統計は中国を筆頭とした世界経済の減速が米経済にも想定を上回るネガティブインパクトを及ぼしている可能性を示唆したことで、マーケットでは利上げ先送り論が急速に勢いを増しており、これまで売り込まれていた貴金属市場は短期リバウンド局面を迎えている。貴金属からドルに対する資金シフトを急ぐ必要はなくなったとの見方が、弱気ファンド筋に当面の損益確定を迫っている結果である。… … …(記事全文5,062文字)