□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月14日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。原油相場は8月下旬の安値から回復傾向を見せており、マーケットでは原油相場の底打ち論も活況を呈し始めています。こうした中、今週はOPECとIEAが相次いで10月月報を発表しました。今回はIEA月報を中心にシェールオイルの減産傾向がどのような需給インパクトを及ぼしているのか、それ以外の需給項目はどのような見通しになっているのかを検証します。 =================================== IEAは2016年も過剰供給は解消されずと予想、複雑に変動する需要と供給 =================================== <IEAは2016年中の需給均衡化を疑問視> NYMEX原油先物相場は、8月24日の1バレル=37.75ドルをボトムに10月9日の50.92ドルまで、約1ヶ月半で最大13.17ドル(34.9%)の上昇幅を記録した。中国経済の減速懸念の織り込みが一服すると同時に、米国のシェールオイル生産に強力なブレーキが掛かる中、過剰供給状態の解消を意味する「需給リバランス」に対する期待感が高まった結果である。主に供給サイドから需給引き締め圧力が強まる中、これ以上の大幅な値下がりがなくても、需給均衡状態が達成できるとの楽観ムードが広がり始めている。石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長は10月12日、「2016年の石油市場はよりバランスが取れたもの(more balanced oil market in 2016)になると期待している」と発言しているが、原油価格の底打ち予想の声も多く聞かれるようになっていた。… … …(記事全文5,426文字)