□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月21日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。先週末、中国人民銀行は突然に金準備統計のデータを更新してきました。中国では、金準備データは数年に1度しか更新が行われない秘密性の高いデータになっていますが、なぜこのタイミングに修正を行ったのか、今回の数値が市場予測と大きなギャップを生じた意味などを、検証します。 =================================== 中国人民銀行が公開した金準備統計、市場予測と大きな誤差を生んだ意味 =================================== <中国が6年2ヶ月ぶりに金準備統計を改訂> 中国人民銀行(中央銀行)は7月17日、今年6月末時点の金準備資産の保有高が5,332万オンス(1,658.439トン)になっていることを明らかにした。5月末の3,389万オンス(1,054.098トン)から1,943万オンス(604.341トン)の急増になるが、もちろん5月末から6月末までの1ヶ月間にこれだけの規模の金準備を積み増した訳ではない。人民銀行は2009年4月から金準備資産の統計を修正せずに放置していたが、6年2ヶ月ぶりにデータの更新を行ったに過ぎない。 突然の金準備資産の統計データ更新になるが、背景にあるのは国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に対する人民元採用の動きを後押しする目的であるのは明らかである。周近平政権というよりも中国指導部の長年にわたる悲願であるが、「人民元国際化」を推し進める目的で、ドル、ユーロ、円、英ポンドの4通貨で構成されるSDRに対して、新たに人民元を採用する切り札となるカードを切った形である。… … …(記事全文4,199文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)