□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月14日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。USDAが7月需給報告を発表しました。6月の米穀倉地帯は豪雨に見舞われましたが、USDAが現在の穀物生産環境をどのように評価しているのかを中心に検証します。また、今年度の相場環境を分析するには、2008年相場の記憶が有効と考えています。08年と何が同じで何が異なるのか、過去の需給見通しの変化・相場展開についてもレビューします。 =================================== 6月豪雨でもUSDAは単収の下方修正を拒否、2008年相場との比較が有効 =================================== <USDA7月需給報告が発表されるも・・・> 米農務省(USDA)は7月10日、7月分の需給報告(WASDE)を発表した。米穀倉地帯で穀物生産ステージが本格的な生育期に差し掛かりつつある中での報告になるが、基本的には新穀(2015/16年度)生産環境に対する関心が高まる報告内容ではなく、専ら6月30日に発表済みの四半期在庫(6月12日時点)と作付面積報告の数値対応が中心になっている。 今年は4月から5月にかけての作付けシーズン序盤・中盤にかけて理想的な気象環境に恵まれる一方、発芽シーズンとなる6月に記録的な豪雨・冠水・洪水被害に見舞われたことで、豊作見通しに突如、黄色信号が灯った形になっている。一般的に「トウモロコシは7月の天気で育つ」と言われるが、ホット・アンド・ドライ(高温乾燥)状態によって作柄の悪化が出ずに高イールドを実現するための理想的な降水量は月間4.5インチ(約114ミリ)前後となる。しかし、6月の降水量はイリノイ州、インディアナ州などで10~15インチ水準に到達しており、干ばつリスクをほぼ消滅させる一方で、五大湖南部の穀倉地帯を中心に「極めて多湿、一部生産地で洪水(Excessively wet、some fields flooded)」(USDA)との報告が聞かれるなど、かなり厳しい生産環境を迎えている。… … …(記事全文6,261文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)