□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月10日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。6月に続いて7月入りした後も、天然ゴム価格は下値模索の展開になっています。引き続き需給よりも上海ゴムや円相場の動向が重視される相場環境になっていますが、これはこの二つの指標が同時に、しかも激しくネガティブ材料化した結果です。今後もこの二つの指標がどのような展開を見せるのかが最大の焦点であり、それぞれの抱える問題が解決・未解決によって、合計四つのシナリオが描ける状況です。予測が難しい状況ですが、どのようなシナリオを想定しておけばよいのかを確認しておくことは、天然ゴム以外のマーケットにとっても重要でしょう。 =================================== 天然ゴム相場、ギリシャと中国の二軸で形成される四つのシナリオを検証 =================================== <タイヤメーカーには強力な追い風が発生> 天然ゴム相場が急落している。東京商品取引所(TOCOM)の天然ゴム先物相場は、6月2日の1kg=247.90円をピークに7月9日の安値は199.40円に達し、4月21日以来で初めて200円の大台を割り込んでいる。上海期貨交易所の天然ゴム先物相場も、6月1日の1トンの1万5,245元をピークに、7月9日の取引では1万0,975元まで値下がりし、こちらは今年の最安値を更新している。 直近高値を形成した時期をみれば明らかなように、天然ゴム価格は既に6月時点で下落傾向を強めていた。為替が円高方向に振れたことが国際指標であるTOCOMの円建て天然ゴム相場を押し下げる一方、それと同時進行で中国において非鉄金属など工業用素材市況に調整圧力が強まる中、値下がり対応を迫られていた。その意味では7月の急落相場もその延長線上にある値動きと言え、引き続き「円高」と「上海ゴム相場安」という二つのネガティブ材料にブレーキを掛けることができるか否かが最大の焦点になる。… … …(記事全文4,581文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)