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吉田繁治 (経営コンサルタント )

吉田繁治

ビジネス知識源プレミアム:増刊・改行版:金価高騰への根拠(2)中編
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<1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで>
ビジネス知識源プレミアム(660円/月:税込)Vol.1361
<Vol.1361号再送:世界経済の破産の予想(2)の一部訂正>

2023年8月10日:世界の金融資産と金融負債の単純な分析


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著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治



政治資金の不記載問題で、岸田内閣と国会が激震に見舞われています。派閥のパーティー券収入のノルマ超過分を、個人の政治資金の収支報告書(総務省に提出)に記載しない「裏金」になっていたというものです。これが、もっとも単純な手法です。


辞任した西村経産大臣の、1年に約10回から20回、一回平均が700万円くらいの企業献金を集めていた「架空パーティー」という方法もあります。都市センターホテルに会議室を借りて看板だけを出し、経産省職員10人くらいで講師を招いた勉強会。それをパーティーと称し、名前の載らない20万円未満になるよう子会社に分けて買った企業からは参加がない。パーティー詐欺です。企業は、公共事業への関連企業ですから賄賂です。


推計ですが、与野党を含み時効の5年間で、議員の約半数は、金額に大小はあっても、工夫した方法で裏金作りを行っていたでしょう。パーティー券を売っていた議員秘書にも、販売の報酬があったのです。


政治資金不記載問題のもっとも大きな原因は、・派閥がパーティーを主催し、・政治家と秘書が販売係として売ってきたことです。


この構造があるかぎり、ノルマを超えたとき現金授受での不正が起こります。本稿では、政治資金の裏金をなくし、裏金での金権政治を解消する方法を示します。政治改革とは、選挙制度ではなく、派閥のマネーをなくすことです。


(1)派閥主催のパーティーと献金は禁じる。政治家個人への献金は可とするが、100%の報告義務を課す。


パーティー収入には記帳の義務を課し、20%の分離課税で有税とする。国民の金融所得と同じ仕組みです。


派閥にマネーが集まる仕組みが、派閥政治の悪弊、及び今回の裏金問題の根源です。派閥への献金とパーティーを禁じれば、派閥の領主が、裁量で分配している政治資金がなくなり、派閥問題は解消されます。政治的主張と、リーダシップによる派閥に変容するからです。


これは、個人献金が主である米国の議員制度に似ています。


ただし、米国には「スーパーPAC」という無記名で金額無制限の政治献金制度があって、数千億円の贈賄の温床になっています。軍需産業、エネルギーメジャー、製薬会社、ウォール街金融、メガテック(GAFAM)は、食料メジャーは、匿名のスーパーパックを使って、多額の献金をし、議員と大統領を動かしています(ロビー活動とされます)。日本には、幸い、この制度はありません。作るべきでもない。米国のように、中国マネーも巨大に入り込むからです。


実は米国は、日本より激しい金権政治です。スーパーPACは、米国の頻繁な、戦争の理由になってきたものです。戦争は財政支出の巨大化であり軍需産業、エネルギーメジャー、食料メジャー、製薬会社、ウォール街金融、メガテックを潤すからです。この米国政治の裏側も、パレスチナ・イスラエル戦争で終わるでしょう。


(2)政党への政治献金には、政党から個人への分配の報告を100%義務づける。個人は収入を報告し、使途と領収証を添付する。


派閥の権力は、1)政治資金の分配と、2)人事でのポスト配分、3)選挙応援をすることから来ています。政治資金のない派閥は、強制権力を失います。自民党政治の悪弊は、無税のマネー集める派閥から来ています。「政治資金」といっていますが、これは不適です、無税の収入です。


(3)党首と幹事長の権力源になっている、1年315億円の政党助成金は、個人議員に公平に交付する。衆議院465名、参議院248名ですから、議員1名平均で4400万円。個人議員の政治活動用の資金とし、政治・政策活動の使途と、その領収証があるものは、無税にする。


貯蓄されたものは、議員所得と会わせた総合課税の対象になる。企業会計と同じです。これで、党総裁と幹事長の、マネーによる権力源がなくなります。


(4)企業からの贈賄の源泉でもある、実質的に政治家個人が主催している「政党支部の制度」は、解消する。支部も政党として、献金は政党に上げなければならない。企業の支店での売上と同じです。


(1)から(4)は、いずれも、経済活動では「当たり前」のことです。


派閥の幹部が、議員支配のマネー権力を失う、もっとも簡単な制度変更です。岸田首相がこれをやれば、人気は復活しますが期待はできない・・・野党は、この3つの主旨で、議員立法を行うべきです。「災い転じて、福(国民の利益)となす」ことです。大きなスキャンダルは、政治改革のチャンスを提供します。


世の中の出来事は古くさい格言ですが、「万事、塞翁(さいおう)が馬」であることが多い。不幸なとき「塞翁が馬」と唱えておけば、事態は変わることが、当方にも多かった。


起きたことを原因にして変わっていく不確定な未来をいう、中国の知恵です。「馬が逃げた塞翁(さいおう)が、ある日、立派な馬を連れて帰った(幸運)。その馬に乗った塞翁の子が落馬し、脚を折った(不運)。おかげで兵役を免れ。命を失わずに済んだ(幸運)」


個人を襲ってくる世の中の出来事、あるいは人生の苦境は、次の展開では、いいほうに転じることも多いという知恵です。


安倍政権の誕生から暗殺まで、そして岸田政権の誕生から現在までを見れば、まさに人間万事塞翁が馬です。禍福(かふく)はあざなえる縄のごとしともいう。


◎政治改革とは、選挙制度であるより、派閥政治のマネーの改革です。


衆議院には、無派閥の議員が55人(12%)、参議院には74名(30%)がいます。無派閥の議員は、派閥に恃(たの)まず、個人支持で集票する力のある人たちです。これでいいのです。


「派閥解消」は幾度となく言われてきましたが、一向に進まなかった。しかし派閥の資金源を絶てば、派閥の権力はなくなります。


ところがなぜか、無税の派閥の収入が許容されてきたのです。マネー権力を失いたくない守旧派の派閥幹部からの、「派閥をなくしたくない改革」だったからです。本質に迫らない、世論向けの「茶番改革ごっこ」は、もう、止めたほうがいい。


今回は、「名目所得から物価上昇を引いた実質所得が減って5公5民の国民の怒り」は、歴史上最大規模に大きい。国民の多くが、将来の実質所得増加を期待してないからです。政治家は、ここを見ていなけければならない。「やっと政治貴族になった」と浮かれることのできる時代は、完全に終わっています。


しかし野党も、信頼されていません。次の衆院選挙では、既存政党ではない「色のない成熟した保守系新人」が有望になるでしょう。立つチャンスです。


これから約5年間、2回の選挙を経て、自公支配は終わると見ています。実は、自民党と統一教会の癒着が端緒だったのです。


土木・建築・農業・小売業、宗教団代の、自民党候補と派閥への応援が政治家を作ってきた条件は、SNSとともに終わっています。


ネットの調査では、自民支持は、約10%です。岸田内閣の支持は11%です。共同通信では、内閣支持率が17%に落ち、20%という政権維持の危機ラインの下に下がっています。
(ヤフーニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d5b9be36e5688b3f0126c8461761aaced9467f0a/images/007

安倍派の裏金は、東京オリンピックリベートの森元首相(2000-2001年)から激しくなりました。「上げ底の菓子折り」で動く、土建政治家であることが知られています。


現在、日本の政治で起こっている騒動も、コロナ危機、ウクライナ戦争、ハマス・イスラエル戦争と続く世界の転換とつながるものす。


既存の制度(上部構造)が、耐用年数をすぎた建物のように。時代の嵐で自壊しています。時代の嵐とは、人間の社会の「空気の乱気流」です。個人の意識ではない、社会の根底を覆す革命です。


◎社会と金融が、ともに、約100年サイクルの「飽和の臨界点」に達しています。ひとりひとりがもつ、「このままではどうようもない」という漠然とした意識の集合です。


これが、1)社会学の社会知、2)哲学ではへーゲルの時代精神、3)経済学ではケインズのマクロ経済、4)政治では政党支持率、5)医学では、個々の要素に還元ができない漢方のような、複雑系の人体です。ノーベル賞をもらった細胞のオートファジー(ストレスからの自己再生)がまさにこれです。


【中国の不動産債務の危機】2010年までは若かった中国は、13年で、住宅価格崩壊への臨界点に達しました(売れ残り未完成住宅1億戸、作りすぎた不良在庫)。中国では、GDPの30%が不動産投資です(普通の国の2倍)。


住宅価格の崩壊と商業用不動産価値の低下は、開発会社の倒産→銀行とノンバンクの危機になって(750兆円の、不動産不良債権)、日本や米国より深刻な、金融危機になるでしょう(2024年)。


習近平による党幹部の粛正はこれが原因で起こったものでしょう。中国は、台湾侵攻ができる時期ではない。台湾海峡の危機は「演出」です。台湾サイドもこれが分かっています。


2023年から始まったのは、中国が不動産会社のドル建て債務の返済ができないドル不足です。中国の対外債債務は2.2兆ドル(319兆円)と大きい。
(中国のドル不足:市岡繁男氏:週刊エコノミスト誌:23年9月)
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230901/se1/00m/020/001000d


一方で、対外資産である外貨準備が3.2兆ドル(435兆円)。(国際決済銀行のBISの集計)。ドルは人民元発行の担保ですから、使うことができない。ドルペッグ制の人民元は、担保の外貨準備を減らすと、発行を減らさねばならないからです。不動産不況の時期に、人民元の発行を減らすことはできない。


不動産の不良在庫が、中国の成長マネーを減らし、中国のGDPはマイナスになっています(政府発表ではGDP5%増加ですが、明らかにウソです)


マイナス10%くらいと見ています。その証拠に、世界がインフレのなか、物価はデフレです(-0.2%)。原油価格の下落(1バーレル:69.8ドル)も、もっとも多く輸入していた中国の輸入減少が原因です。


中国では、金利を下げる金融緩和が必要です(元安の要素)。その上で、中国にはドルが必要です。希望になる対米輸出(5815億ドル:84兆円)では電気自動車(EV)用の蓄電池が伸びていますが(元高の要素)、米欧日の、中国投資からの資本引き揚げが増えいます(元安の要素)。


◎中国の成長期は、住宅バブル崩壊と不良債権不況とともに終わって、世界経済の牽引車は、なくなりました。


OPECの230万バーレル/日への減産にもかかわらず、原油の69ドルへの低下は、中国の経済活動が低下し、世界1の原油輸入が減ったからです。米欧の、物価と金利の上昇からの、商品需要の低下も、金利の低下の原因です。世界は、2024年不況に向かっています。


今回、詳しくは言いませんが、米国では世論の面でバイデンが人気をなくし、トランプの復活の可能性が、日々、高まっています。2020年の大統領選挙は不正だったという認定が、増えています。


人間万事塞翁が馬。日本では権力と栄華を極めた平家の「盛者必衰」。読み継がれてきた古典は世の「真理」を示しています。西欧では第一に聖書、ムスリムはコーラン。口語訳の古事記(神話)もあります。伊勢に天岩戸(高天原:たかまがはら)があります。寂しいところでした。石清水が命だったでしょう。観光客は来ない。
https://www.iseshima-kanko.jp/spot/1357
*以上は、2の時事問題の、原因と対策の解説です。


以降は、<金価格高騰への根拠(2)中編>。もっとも古い国際マネーである金の本質を知るには歴史を遡る必要あります。前号の続きです。




<Vol.1391号:増刊:金価格高騰への根拠(2)中編>

2023年12月17日;有料版・無料版共通


【目次】

■1.金は通貨であるのか?

■2.ブレトンからスミソニアン体制、1973年からの変動相場

■3.素材が何であっても、変質せず偽造ができないものは通貨になる

■4.1973年からのドルは、ペトロダラーになった

■5.1980年から1985年(プラザ合意)までのドル

■6.金ドル交換停止の1971年から、変動相場の1973年までの金価

■7.1978年から1980年イラン革命のときの、金価格の6.7倍への高騰

■8.1980年から20年間:金価格の200ドル台への低下

■9.1980年から20年間、米国FRBが行った金価格の下げ介入

【後記】




■1.金は通貨であるのか?


(1)金は古来、ひとびとが、政府から強制された紙幣ではなく、自然に認めてきた国際的な交易のマネーだった。政府・中央銀行が発行する信用通貨は、国内でしか流通しない。しかし重い金を運搬し船で輸送するのは不便なので、金兌換通貨(金と交換できると中央銀行が約束した紙幣)が使われた。


金兌換通貨は、現代の、金ETFと同じ金証券です。1944年から71年までのドルは、金兌換通貨でした。1882年の明治の日銀設立から1945年の敗戦までは、円も金兌換通貨でした。(注)円安から、金兌換が禁止された時期もありました。


明治の金価格は、1グラム1円=1ドルでした。1930年以降は1グラム4円=2ドルでした。現在は、金1グラムは約1万円です。


(2)世界の中央銀行は、1971年以降も金を通貨と認識し、ドルとともに、外貨準備にしている。ただし日銀やFRBは、国民に向かっては「金は単に金属だ」としている。


極めて単純なこの二項です。


◎信用通貨の紙幣と金の価格の関係が、この原稿を書かねばならないくらいややこしくなっているのは、とくに日銀とFRBが、1971年の金・ドル交換停止のあとは、「金は通貨ではない」としてるからです。


中央銀行が発行している信用通貨が通貨(マネー)である。金は通貨ではないとしています。日銀に問いあわせてください。「金は通貨とはしていません」と答えます。


全部の中央銀行が、日銀やFRBと同じかというと、違います。BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と産油国、及びグローバルサウスは「金は通貨である」として、1999年以降、外貨準備として買い集めています。スイス・英国を筆頭にして、欧州は「アイマイな態度」です。


連邦制の国家であるEUを作った戦後の欧州は「米国に従うか、従わないか」を、はっきりさせません。日本は、米国に強く従属しています。


本増刊では、金兌換通貨のドルを、貿易に使う国際通貨(=基軸通貨)と、44カ国の戦勝国が合意した1944年の「ブレトンウッズ体制」から述べます。


■2.ブレトンからスミソニアン体制、1973年からの変動相場


戦後の国際通貨は、1944年のブレトンウッズ体制から始まりました。金1オンスを35ドルとする固定相場です。1ドルは360円だったので、1オンスの金は1万286円、1オンスは31.1グラムですから、金1グラムは331円でした。


1944年から71年までの国際通貨は、金を本源的な通貨として、1オンスを35ドルとして決めた「金為替通貨(金と交換できる通貨)」だったのです。世界の通貨は、ドルを基軸にした固定相場でした。1ドルは360円でした。


基軸通貨は、その価値を維持しなければならない。このため、1オンスの金と35ドルを、交換可能としたのです。個人ではなく各国の中央銀行がFRBにドル紙幣との交換を要求すると、FRBは金を渡すことを世界に向かって、約束していたのです。


ところが、1960年代のベトナム戦費の支出から、米国の財政は赤字になり、黒字だった対外的な経常収支(貿易収支+所得収支)も赤字になりました。


経常収支の赤字とは、その赤字分、ドルが余分に海外に流出することです。(注)世界の経常収支=赤字国の赤字(米国)+黒字国の黒字=ゼロです。当時の黒字国は、西欧と日本でした。


西欧(英国、フランス、ドイツ)は、受け取ったドルの価値が下げることを懸念し、FRBに金との交換を要求し、当時のドゴールは軍艦で金をフランスに運びました。軍人だったドゴールは米国を格下の国と見ていたのです。人物が小物の、マクロンとは違います。


米国FRBが持っていたとされるたぶん3万トンの金は、西欧に流出し、1971年には8133トン(IMFの集計)に減っていました。世界のドル外貨準備(=ドルの海外流出分の一部)が、FRBの金を上回っていたからです。


(注)推計3万トンの金とする理由は、米国から流出した金の公式な記録がないからです。


当時の大統領ニクソンは、議会に金委員会を作り、「FRBの金がなくなるとドルはどうなるか」を審議させました。議会が出した結論は以下でした。1)金は通貨にとって、重要な金属である。2)FRBから金がなくなると、ドルは暴落する。


このとき、ニクソンは突然、世界に向かって「金ドル交換停止」の大統領令を出したのです(1971年8月15日:ニクソン・ショック)。


世界は震撼し、ドル売りが激増しましたが、日銀だけはドルを買い支えたのです。世界への窓が米国を通じているものしかなかった日本は、ニクソン・ショックの意味を理解しませんでした、


1971年から73年は、「スミソニアン体制」として、金1オンス38ドルとしました。円は、1ドル360円から308円へと15%の円高になったのです。


1973年には、固定相場の裏での、通貨変動の激しさのため、米国はスミソニアン体制を放棄して、世界の通貨、は現在まで50年続いた「変動相場制」になったのです。固定相場でなければならない基軸通貨の変動相場ですから、1973年以降のドル基軸は矛盾を含むものになったのです。(注)1973年以降の、米国の戦争関与の、多くの目的は「ドル基軸体制の防衛」でした(典型は、2001の9.11からの2003年イラク戦争)。


変動相場は、以下の原理に基づくものです。(1)経常収支の赤字国(米国、英国)の通貨は、売られて下落する。(2)通貨が下がれば、輸出物価が下がり、輸入物価は上がって、赤字の貿易は均衡に向かう。(3)変動相場制では、通貨価値が変わることで、貿易は均衡に向かう。


1973年から現在までの50年、この原理から、変動相場になっているのです。


金兌換のときは、金が本源的通貨なので、金との交換率に比例した固定相場になります。変動相場では、金のアンカーのように本源的通貨はない。通貨は、外為市場の売買で変動します。価値をつなぎ止める金の錨(いかり)がないので、変動相場をフロート制ともいう。


浮き輪のようにぷかぷか浮かんで、相対的な通貨価値(レート)が変動する通貨の意味です。


■3.素材が何であっても変質せず偽造ができないものは通貨になる


金は通貨ではないと否定するグループは、金は、通貨とって意味がないとしています。これは、「虚言のイデオロギー」です。


金は、「FRB、大英銀行、日銀の3カ国が通貨としていないだけのもの」です。


通貨は、その本性からは、「通貨として認める人には、何であっても、通貨になるもの」だからです。日本と中国の古代は、貝殻が通貨であり、西部劇の時代の米国では、タバコも通貨の役を果たしていました。南太平洋では、イエの玄関の巨石が通貨信用でした。


大きな事例では、リーマン危機(2008年)のあと誕生した、ブロックチェーンのビットコイン(固定相場のないICO型:CIAの秘密委員会が作った)は、今日は、1単位が598万円(4.2万ドル)で売買されている通貨です。


デジタルの暗号にすぎないものを、ひとびとは通貨と認めたのです。数字を印刷した紙を、政府は通貨にしたのですから、偽造ができず、変質しないものなら、素材は「何でもいい」のです。


個人の小切手や手形も、価値を認める人にとっては通貨です。大谷将平のサインは、ファンにとっては10万円や20万円以上の価値のある通貨かもしれない。サインを、高く買う人がいるからです。10年の年俸が約1015億円、1年101.5億円、1日が2780万円です。1時間116万円、5分は約10万円ですから、大谷が5分使って書いたサインは偽造できず、10万円の価値でしょうか。


ビットコインは、ピザの購入に使われた最初は、1単位が1ドル付近でした(2008年)。15年間での、仮想通貨市場での売買による騰落を経て、4万2000倍になっています。総時価の価値は、117兆円です(1956万単位)の巨大通貨になっていまs。


ビットコイン1単位が100万円くらいだった2018年初頭に『仮想通貨:金融変革の透視図』を出版しました(2018年3月)。


今、50歳代までの、にわか仮想通貨成金が、銀座や新地で豪勢に遊んでいます。秋、誘われて上品なホステスが多い北新地のクラブに行きましたが・・・。


ここでも、「禍福はあざなえる縄のごとし」でしょう。サービス価格は、ひどく上がっています。


書いたときは、1ビットコイン100万円は、高すぎるかなとも思っていましたが、その後の5年で6倍(598万円)ですから、通貨価値の不思議さには、恐れ入ります。買いの増加が上げているのです。


2023年1月の228万円への暴落(約1/3)を経て、11か月で2.6倍に上がったのです。ここでも、皆が悲観する暴落が暴騰へのチャンスでした。純益が1年で6倍になる企業はない。2023年のビットコインはそれでした。


【パラダイムの転換】ドル基軸のFRBや日銀サイドに立つ人には信じられない事態かもしれない。しかし、従来のパラダイムから「信じられない」ことが現実に起こっているときは、通貨も「新しいパラダイム」に向かっているのでしょう。パラダイム(枠組み)は、個人の意識を超える集団的な社会的意識です。


コミュニケーションの人間集団で作られる「空気」でもあります。スポーツでは「流れ」です。今、日本では「裏金」の自民党への失望がパラダイムの転換でしょう。
(ビットコインの長期価格チャート:コインチェック)
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin/


SWIFT回線を使わなくていいインターネットでの国際送金の用途があるからでしょう。原因はたぶん中国、ロシア、ウクライナ、パレスチナ、イスラエル、産油国での利用増加でしょう。


「自国通貨→ビットコインへの変換→国際送金→相手国でその国の通貨に変換」ができるからです。交換所(仮想通貨の銀行)での、変換手数料は0.5%くらいでしょう。短時間のビットコインの利用なので価格変動リスクは小さい。すべてインターネット上で行えます。ビットコインで決済しても、ドル基軸(媒介マネー)は要らない。媒介マネーとは、


例えば、円を中国に送金するとき、「円→ドルへの変換→SWIFT回線で国際送金→中国でドルを人民元変換」のとき、仲介に使うマネーのことです。これが現在の国際送金です。送金・交換手数料が、「1%+1%+送金手数料」、時間も2日から4日くらいかかる。旧式なものです。


2024年からのBIRCSデジタル国際通貨は、金価格と連動するビットコインのようなものです。現在は、60%のドル基軸を30%くらいにし減らして、順次、終わらせます(2026年か)。


■4.1973年からのドルはペトロダラーになった


ドルの価値を保証していた金がなくなっても、米国は、基軸通貨を続ける意志をもっていました。下落する米ドルが基軸通貨を続けるには、下がるドルの買いが必要です。


このとき、ニクソン政権の国務長官だったキッシンジャー(8月の中国訪問のあと100歳で死亡)が、天才的な外交センスを発揮したのです。


(1)サウジの国王制は米軍が、民主革命から守る。(2)サウジは見返りに、原油をドルで売ることとする(リヤド密約)


1973年は、第4次中東戦争からの第1次石油危機として、原油価格が1バーレル2ドルから、10ドル(5倍)、15ドル(7倍)と上がっていた時期です。


西欧と日本は、原油・エネルギーを輸入します。原油輸入の決済のためにはドル外貨準備の、プールが必要です。


経常収支が赤字であり、基軸通貨の黒字条件をなくしていたドルのレートが下がっても。世界から買い続けられる仕組みが、この「リヤド密約」でした。(注)現在の世界の外貨準備は、15兆ドル(2175兆円)です。


経常収支の黒字国(ドルが流入)が、ドル国債、ドル債券、ドル預金として、いったんは米国の赤字として超過して海外に出たドルが、FRBと米銀に還流してくる仕組みが、ペトロダラー制です。(注)対外負債は増えるが、ドルは国内にあるという仕組み。


第一次石油危機のあとの、米国経済は、ペトロダラー制でのドルの還流によって、ドル基軸通貨の命脈を保ちました。国内の銀行から預けたドル預金は、米銀に送金されているのです。このドル預金は米銀にとっては日本・ドイツ・産油国・中国からの、対外負債になります。


海外からの借金(対外負債30兆ドル:4350兆ドル)により、経済を動かす仕組みが米国経済です。


1973年には、1ドルが265円でした。第2次石油危機の前の1979年には1ドルが200円に下がり25%のドル安(円高)でした。


石油危機のあとのドルは、米欧の経済の弱体化と、日本経済の輸出主導での成長を示すものでした。「西欧の没落(シュペングラー:1976年邦訳)」が言われていた時期です。とくにヒドかったのが、英国です。通貨レートは、国のい合的な経済力を示す指標です。


総合的というだけではアイマイですが、国の経済の、各種の要素を統合した指標ということです。例えば体温が、原因が多数の人体の総合指標であることと同じです。病院で体温を測るのは、病気の原因が何かを探るためです。


政治家は、判断の根拠をアイマイにするため、総合的経済対策、総合的判断という用語を多く使います。しかし動機と原因を明確にする刑事裁判では、犯人の人格からの総合的な判決とはしません。総合のアイマイさが、分かるでしょう。


ただし人を好きや嫌いになるのは総合的なことでしょう。好きな絵画、音楽、小説でも同じ感性の総合。国の経済は、要素が超多数の複雑系ですから、直感的な売買で決まる通貨レートも、総合的指標です。新聞で通貨レートや株価の解説を読むと、様々な原因が書かれています。原因は、一つではないからです。

https://www.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/reference/gazou/yenrate/yenrate1.pdf


■5.1980年から1985年(プラザ合意)までのドル


1980年はイラン革命(ホメイニ革命)を起点にした第2次石油危機でした(原油価格2倍:1バーレル30ドル)。


1人あたりでは、日本の約3倍の、エネルギー多消費の米国は、物価高騰のため15%のインフレになったのです。FRBの議長のボルカーは、インフレを退治するため、金利を二桁に上げる利上げと禁輸引きを敢行したのです。


ドル金利が10%を超えれば、欧州と日本からのドル買いが起こります。7%から10%のドル預金の金利が、企業利益より多いこともあって、「財テク」と言われました。80年代初期の、ドル高金利のため1970年代に20%下がっていたドルは、1ドル200円にまで、回復したのです。


このドル高は、インフレ対策の利上げと金融引き締め(需要の減少)よる米国の80年代不況と、引き換えのものです。2022年3月から2023年の米国の利上げと似ていますが、1980年の、ボルカー利上げは、現在の約5%の2倍でした。
(ドル円のレート:1979-1979)
https://www.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/reference/gazou/yenrate/yenrate1.pdf


■6.金ドル交換停止の1971年から、変動相場の1973年までの金価格


【金価格:1オンス35ドル→100ドル:3年間で3倍】1973年の金価格は、1971年の1オンス35ドル(固定相場のとき)の約3倍の、100ドルに上がっています。(注)その50年後の2023年11月は、金1オンスは100ドルの20倍の2000ドル付近。


◎金の価値が上がったのではない、金から離れ、1973年からは信用通貨になったドルが、通貨信用を失って売られて下がったのです。この時期に「金はドルの反通貨」になったのです。ドルの実効レートと金価格は、逆に動くということです。


【信用通貨の、信用とは何か?】信用通通貨は、各国政府の財政信用、言い換えれば国債の返済信用を担保にする通貨です。中央銀行が通貨を増発するとき国債を買うのは、このためです。


国債を、中央銀行が買って現金化したものが信用通貨であり、ドル、ユーロ、円です。通貨の増発は、中央銀行による、政府財政の赤字国債の買いで行われます。


ここもマネー論が言わないことです。財政の用語では、「インフレになるまでは有効とされている国債のマネタイゼーション」です。


◎3年間で3倍は、ドルが国際的な信用を失って暴落するときの金価格の動きとして、2024年以降も、参考になるものです。


このあとも、金が上がるときは、およそ例外なくドルの実効レートが下がり、金が下がるときはドルが上がるでしょう。


【ドルの実効レートで見る】「ドル/円」の通貨ペアではなく、ドルの世界の通貨に対するものが「実効レート」です。これも、中央銀行が金をドルの反通貨として扱っていること示す傍証です。
(実効レートの解説)
https://www.tokaitokyo.co.jp/kantan/term/detail_0406.html


(ドル、ユーロ、人民元、円の実効レートの動き:1980-2023)
https://honkawa2.sakura.ne.jp/5072.html

(注)、1995年からの28年間、ゼロ金利と通貨増発の円だけが、ひどく下がっています。人民元、ユーロ、ドルは上がっています。ドルの実効レート低下の約5倍が、金価格の長期的な上昇です。金価格をこのグラフに入れると、面白い。次号の正刊で、作ってみます。


■7.1978年から1980年イラン革命のときの、金価格の6.7倍への高騰


イラン革命は、親米だったパーレビ国王の体制を、ホメイニ師を指導者にして倒した、イスラム革命でした。パーレビ国王は、イランの原油輸出代金を、王家の金融資産にして、米銀へドル預金として預けていました。


米国は、このイラン革命のとき、イランのドル預金を凍結して事実上、没収したのです。


〔歴史的な対比〕その42年後、2022年のウクラナ戦争のとき、米国が、ロシアが輸出代金として貯めていた外貨準備3000億ドル(43兆円)を凍結し、SWIFTでの国際送金をできなくして、ロシアの貿易を封鎖したことと、同じです。


イランのドル資産の凍結を見て、中東の産油国の王家は、「米銀にドルを預けておくと危ない」と考え、外貨準備のドル(オイルダラー)を売って、米国が奪えない金現物を買ったのです。


産油国の「ドル外貨準備の売り/金買い」が増えたため、金価格は急騰しました。イラン革命前の、1976年の金価格は、1オンス(31.1グラム)が124ドルでした(年間平均)。1980年には850ドルにまで、6.7倍に急騰したのです


この時期、円では、1グラム1976年の1260円から、1980年の6495円まで、5.2倍に上がっています(現在は1万円付近)。


以上は、大きな「ドル売り/金買いの増加(金買いのオファー)が1000トン/年くらい)」になったとき、金価格は、1年くらいで4倍から5倍に急騰することを示すものです。金は、ドルに代わる反通貨だからです。


今、米国株が上がっていますが、米国株の買いの超過によるものです。相場の金融商品は、評論家が示す原因は、あれこれあっても、投資家による「買いの超過で上がって売りの超過」で下がります。金、株、原油先物も全部同じです。


何を理由に何を予想して買いが超過するのか、あるいは売りが超過するのかを予想することが、金融商品の価格予想です。


(1980年前後の金価格、1オンス=ドル、1グラム=円)
https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/y-gold.php


■8.1980年から20年間:金価格の200ドル台への低下


ところが1980年に1オンス(31.1グラム)が800ドルまで急騰した金価格は、1999年までの19年間も、300ドル台から200ドル台に低迷しました。一体、何が起こっていたのか? 


【通貨戦争】原因を示しているのは、フェルナンド・リップスの『GOLD WAR』だけです。リップスは、スイスにあるロスチャイルド銀行の、1990年代の支配人でした。原書を買っています。邦訳の『いまなせ金は上がるのか』は、ひどく省略されているからです。


リップスは、・金を「誰の負債でもない正貨(Sound Money)」、・米ドルを中央銀行の負債である信用通貨としてます。


正貨の金が、偽貨(ぎか)とはいわなくても負債の信用通貨であるドルと戦ってきたのが、1973年からの、変動相場制のなかの通貨戦争だったとするのです。
(1980-2023年の、年次金価格)
https://ecodb.net/commodity/gold.html


中央銀行のB/Sでは、通貨発行は、以下のように記帳されます。数字は任意のものです。世界の中央銀行に共通しています。


   【資産】       【負債】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国債購入 100兆ドル  ドル発行 100兆ドル
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


このB/Sは、通貨の信用価値は、国債の、満期での返済価値で担保されていることを示すものです。


具体的には、1)国債の満期日に、発行額面の100%を政府が返済できること、2)返済ができないときは、低利の借り換え債を発行でき、満期が来た国債を返済することです。(注)これはキャシュ・フローでは返済期限の延期(飛ばし)です。


以上のように、国債の満期返済が、現金で国債を買う金融機関に信用されているので、通貨の価値が保たれています。


借り換え国債の発行金利が高騰したとき、国債は発行難になって。満期到来分の国債の返済ができなくなり、政府は破産します。


1200兆円の既発国債がある日本では、・借り換え債の長期金利2%から(現在は0.7%)、・33兆ドル(4785兆円)の既発国債がある米国では、長期金利5%(現在は約4%)から破産に向かうでしょう。


・日本では、当年度の財政赤字の新規債(約40兆円)とは別に、1年に150兆円、・米国では、1年に3.7兆ドル(536兆円)の借り換え債を、金利を上げることなく発行しないと、満期が来た国債がデフォルトするからです。


1)FRBがインフレ対応で利上げをし(長期金利1.5%→4%)、2)日本の金利も上がっているので、ここが日米の財務省にとって、最大の問題です(長期金利0%→0.7%)。


■9.1980年から20年間、米国FRBが行った金価格の下げ介入


FRBは金を8133トン(市場の2年分)しかもっていません。


(注)世界の中央銀行がもつ金は、合計で3万トンくらいです(IMFの統計)。地上の金在庫は、宝飾を含むと公式には20万トンとされていますが、正確な集計はありません。金は、古来、秘匿されるマネーだからです。当方は、30万トンはあると推計しています。金の鉱山生産は、1年に約3500トンです。100年分で35万トンです。約1000トンのリサイクルは地上の金を増やすものではない。採掘可能な金の埋蔵は15万トン、3500トン掘ると約40年で枯渇するでしょう。カナダに行くと金の廃坑が多数あって、観光地になっています。


ドル反通貨の金価格が800ドルへと急騰したことは、ドル基軸体制の危機を示します。価値が、金に対して1/6に下がったドル外貨準備が、西側以外の中央銀行から売られて金が買われ、ドルは一層下がって、金が上がるからです。


海外からの、こうした資金還流がないと、赤字の米国経済は崩壊するからです。


FRBは、以下の巧妙な介入を考えました。


(1)FRBの金を、投資銀行(JPモルガン、ゴールドマン、シティバンク、バンカメ、リーマン等)に利率2%などでリースする。


(2)投資銀行は、金先物を売って価格を下げ、限月に清算して、「先物売りの価格ー買い戻しの清算価格」の利益を得る。金価格が下がった分が利益になります。


投資銀行が、合計で例えば500トンの金を一斉に先物で売ると、年間4500トンの売買がある金価格は下がるので、莫大な利益が出ます。これは違法なインサイダー取引での市場操作ですが、政府政策なので、摘発されません。


リースしたFRBには、投資銀行から買い戻した金現物が戻ってくるので、8133トンの金は減りません。変わらず、FRBの資産になっています。金価格が、800ドルから200ドル台に下がったことからの先物売りの利益は、莫大に、FRBの仲間である米国投資銀行に行きました。


他人のお金の運用で、長短金利の利ざやの利益を得る銀行はこういった本質をもつ機関・組織です。人格が壊れます。


親しかった支店長は、「銀行は酒を飲まないとやってられません」とも言っていた。パーティー券を売る政治家にも、似た面があるでしょう。


英国とスイスの中央銀行も、ドル基軸を続けたいFRBに協調して手持ちの金を売ったのです。


以上ような仕組みで、1オンスが800ドルだった金は1999年には278ドル(年平均価格)下がりました。この時期、市場では「金は死んだ」、今後、復活はないとされていました。


実はこの1999年に、その後の金価格を上げる重大な決定が行われています。(注)1999年は、欧州19カ国が、統一通貨のユーロを使い始めたときです。


金価格200ドル台に安心したFRBは、西欧と日本の中央銀行を集め、1999年に、金の売却を400トンに制限するという奇妙な決定を行います(ワシントン合意)。


この協定が、1980年から1999年までの20年間、「赤字通貨の基軸通貨という矛盾した体制を守りたいFRB」が、金を売らせてきた反証にもなったのです。この20年間、西欧(中心は英国とスイス)の中央銀行は米FRBに協力し、間欠的に500トン以上の金を売り続け、市場の金価格を下げていたのです。目的は、ドルの世界支配(ドル覇権)への協力でした。


【金の売却を400トン/年に制限したワシントン協定】(1)金は、中央銀行の資産として重要である。(2)1年間に中央銀行から売る金は400トン以内とする。


1999年まで1000トンくらいだった中央銀行から金の放出が400トンに減ったため、1999年から2012年までの13年間も、金価格は279ドルから1669ドルまで5.8倍に上がったのです。あらゆるモノの価格は、供給が減るなかで、需要が増えれば上がります。
(金価格/1オンス・ドル:1999-2012年を見てください)
https://ecodb.net/commodity/gold.html


円では、1グラム1019円から4280円(2012年)まで、4.2倍に上がりました。ドル価格での高騰が5.8倍と、円価格より高かった理由は、この13年間、38%の円高だったからです。


金は、ドルで価格が決まり(ロコ・ロンドンで現物価格、NYのCOMEX先物価格)、ドル価格を円に換算したものが円価格です。金の売買が世界1少ない日本は。金の価格決定にはほとんど関与していません。


米国が日本政府と日銀の、ドル基軸を支えるため金買いを禁じていて、「ドル国債を買え」としているからです。本稿は、2012年までの動きの分析です。            *1999年のから2012年、13年間の長きにわたり5.8倍に上がった金価格は、1670ドル(2012年)をピークにして、2015年の1160ドルまで31%も下がりました。


しかし円では、2012年から、「500兆円の増刷のため」、1ドル80円台から120円台の円安になったので(-50%)。金価格は、円では下がっていず、逆に上がっています。しかし、金の動きとしては、売買量の多い、国際的なドル建て価格が重要です。
(2012年1グラム 4282円→2015年 4514円:年平均価格)
https://ecodb.net/commodity/gold.html


2016年からは、再び高騰が始まって2023年は、1オンスが2000ドル台、円では1グラム1万円台(消費税10%込み)です。


2008年のリーマン危機(=ドルの下落危機)のあと、こうした変化をした金の市場に、どんなことが、新たに起こっていたのか? そして2024年からの金価格は、何を主な要素に、どうなっていくのか。水曜日の有料版で、結論部を示します。基礎から論じると、やはり、3回分の60ページが要りますね。


【後記】

基軸通貨のドルと、反ドルの金価格については、歴史的かつ予想的に、新著『金利と通貨の大転換』で基礎となる原理から書いています。抽選に当たった読者から、お礼状が届きうれしく読みました。
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