■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ <1ヶ月にビジネス書5冊を超える知識価値をe-Mailで> ビジネス知識源プレミアム(週刊:648円/月):Vol.975 <978号:長すぎた強権で腐敗した、カルロス・ゴーンの経営> 2018年11月21日:資本主義の会社組織の問題 ウェブで読む:https://foomii.com/00023/2018112210000049991 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ホームページと無料版申し込み http://www.cool-knowledge.com 有料版の申込み/購読管理 https://foomii.com/mypage/ 著者へのメール yoshida@cool-knowledge.com 著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ おはようございます。日産のV字回復を主導したカルロス・ゴーン氏が、5年間で50億円と見られる報酬隠しと、会社経費の20億円超の私的な流用のため、成田に到着直後に逮捕されました。 発覚は、社内告発からです。関与していた関係者が、捜査協力することで告発と刑が減免される「司法取引」です。 【偽装された有価証券報告書】 有価証券報告書は、会社の取締役が、会社のオーナー(株の所有権者)である株主に対して行う、資産/負債の変化の内容、利益と投資状況、そして利益金処分案の説明です。この中に、まず代表取締役会長であるゴーン氏の役員報酬が、過小に書かれていたこと。ゴーン氏のストックオプションの利益が、意図的にゼロとされていました。これが、年間10億円、5年で約50億円です。 さらに、ベンチャー企業への投資のためとして日産が全額出資したオランダの子会社(資本金60億円)を通じて別荘の建築が行われ、ゴーン氏が賃貸料を払わずに利用していたことです(20億円相当の利益供与になる)。これは、会社の業務に忠実でなければならない役員の任務にそむく背任に当たります。 【リーダシップ型経営法】 ゴーン氏については、1年でV字回復を果たした2001年に、本メール・マガジンで「リーダシップ型経営」の事例としてとりあげたことがあります。<鋭利なメスをもつ精神分析医:カルロス・ゴーン>という標題でした。使わなくなった別のPCファイルには残っていると思います。 【ビジョン達成の度合いを年度化し、社員の自己目標に分解する】 複雑な要素をもつ経営を単純化し、「車づくりのビジョン」にまとめて引っ張るリーダシップ経営の、典型に見えたからです。 リーダシップ型経営は、「ビジョンの実現のために実行すべき」ことを明確に示し、社員の仕事の、努力の方向を、成功する一本にまとめるものです。 これは上からの強制権力による統制(命令)ではない。示されたビジョンへの社員の共感が、MBO(成果目標による経営)の形になって、その目標が、社員の自己目標になり、自発的に展開されていくものです。… … …(記事全文10,286文字)
ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊を超える情報価値をe-Mailで
吉田繁治 (経営コンサルタント )