… … …(記事全文1,810文字)世界は合成の誤謬により動かされる。
合成の誤謬は極めて厄介で、個人個人にとっては合理的な判断、行動が、マクロにおいては破滅的な結果をもたらすことが多々ある。
典型が、バブル崩壊から、デフレ化のプロセスだ。
例えば、読者がゴルフ会員権を4千万円で買った。しかも、借金で。
その後、ゴルフ会員権が100万円に暴落した。
バランスシートの借方に計上されていたゴルフ会員権の「実質価格」が暴落した
となると、貸方の負債を返済せざるを得ない。所得を稼いでは、負債(借金)の返済。
もちろん、負債返済は支出(消費、投資)ではないため、需要は減る。
個人個人にとって、負債返済は合理的だ。ミクロな合理的な行動がマクロに合成されると、国民経済に需要不足を引き起こしてしまうわけだ。
ミクロな合理的判断が、マクロでは非合理な結果をもたらす。
農業も同じだ。
当たり前だが、個々の農家にとって自らの所得を最大化するため、増産を図ることは合理的だ。
とはいえ、国民の胃袋はいきなり大きくならない。