… … …(記事全文2,208文字)日本経済は政府のデフレ放置、減反・公共投資削減に代表される供給能力削減策により、ついにインフレギャップの状況に至った。つまりは、総需要が供給能力を上回る状況になったのだ。
一度、インフレギャップになると、物価はもはや下がらない。
理由は、二つというよりも「2ルート」ある。
1。供給能力不足を解消するために、生産性向上の投資(設備投資、公共投資、人材投資、技術投資)を進めなかった場合、ひたすらインフレギャップが拡大していくことになる。
筆者は2013年頃から、
「このままでは日本は需要に対し供給能力が大きく不足する、発展途上国と化す」
と、警鐘を鳴らしてきた。
発展途上国が貧しいのは、カネがないためではない。カネなど、政府が予算を可決し、国債を発行すればいくらでも生み出せる。
それに対し、供給能力はそうはいかない。供給能力を引き上げるためには、着実な投資により生産性を高めていく必要がある。
特に重要なのが、技術だ。技術というよりは「技術を持つ人材」が育たない場合、生産性は上がらない。結果的に、インフレギャップは埋まらない。
戦後の日本がアジア諸国にODAなどの支援を行い、「日本」企業がインフラ整備というサービスを提供していったのは、そもそも発展途上国は「インフラを作れなかった」ためなのだ。
筆者はデフレ長期化による供給能力毀損により、日本が発展途上国化する可能性があると懸念していたわけである。
【サプライロス型インフレ】