… … …(記事全文3,134文字)不思議な話だが、またもや「特別会計400兆円の闇」といった意味不明な論調が流行している。
興味深いことに、反財務省で「財務省解体デモ」に参加している者からも「特別会計の闇」といった批判が出てきている有様だ。
「特別会計の闇」は、大げさでも何でもなくゴキブリのようで、駆除しても駆除しても、必ず再び目の前に現れる。これは、一体何なのだ。
確かに特別会計は400兆円を超えているが、そこに「闇」などない。全ての予算は公開されており、さらには国会審議を通っている。
【特別会計について(令和6年度予算)】
http://mtdata.jp/20250306-2.jpg
令和六年度予算の特別会計の総額は436兆円。とはいえ、国債の借り換えが135.5兆円、国債償還費が89.7兆円で、会計間・勘定間のやり取りが92.6兆円。
誰のGDP(所得)にもなっていない。
社会保障給付費、78.4兆円。地方交付税交付金等22.2兆円。これは支出されている。一般会計からの組み入れを合わせて、医療、介護、年金、地方交付税交付金等として支出しているのだ。とはいえ、社会保障給付や地方交付税交付金として、政府が予算を執行するのが「闇」なのか?
財政融資資金への繰り入れ10兆円。これは「貸付の原資」であるため、繰り入れた時点では支出になっていない。GDPは増えていない
復興経費0.6兆円は良いとして、その他が7.1兆円。
「7.1兆円! そこに闇があるんだ」
などと「特別会計の闇」論者は言い出すわけだが、そもそも「特別会計400兆円の闇」という話は、どこに消え失せたのだ? とりあえず、
「特別会計400兆円の闇というのは、嘘でした。ごめんなさい」
と、謝罪するべきではないのか?
という皮肉は置いておいて、残念ながら7.1兆円の「その他」にも、別に闇などない。