… … …(記事全文2,378文字)政府の税収が「過去最高」を続けている。なぜなのだろうか。
理由は「GDP」にある。
GDPとは、
「生産者が生産し、顧客が消費・投資として支出し、所得が創出される」
という、所得創出のプロセスにおける「生産」「支出」「所得」の合計である。
生産面、支出面、所得(の分配)面。三つの「面」のGDPは、必ずイコールになる。これをGDP三面等価の原則と呼ぶ。
更に、GDPには「名目(金額)」と「実質(生産量)」の二つがある。経済成長率とは「実質GDPの増加率」を意味している。
もっとも、現実には生産「量」の把握は著しく難しい。というか、不可能だ。
特に、サービスの場合は生産「量」について統計の取りようがないのである。
というわけで、国民経済計算を担当している内閣府は、まずは「金額」で観測できる名目GDPの統計を取る。
更には、各需要項目(消費、投資、輸出、輸入)について定点観測し、物価の変動率について統計を取る。
その上で、GDPデフレータ(=縮ませる)と呼ばれる物価上昇率で、名目GDPから物価変動の影響を排除する。
結果的に、実質GDPが「計算」されるのだ。
【図 日本の経済成長率の推移(対前年比%)】
http://mtdata.jp/data_93.html#seichouritsu
◆名目GDP÷GDPデフレーター=実質GDP
2024年の経済成長率(実質GDP成長率)は、対前年比でわずか+0.1%に過ぎなかった。ところが、名目GDP成長率は何と2.9%に達している。
結果、同年の名目GDPは609兆円と、史上初めて600兆円を上回った。