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週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

解雇規制と失業率

解雇規制の緩和を主張する者は、必ず、

「企業が従業員を解雇しやすくすれば、むしろ企業は人を雇用し、失業率は下がる」

と、主張する。

逆に言えば、企業が雇用を増やさないのは、解雇規制が厳しく、一度、雇うと、簡単に解雇できないためだ。

というレトリックなのだが、これはかなり奇妙な(あるいは「狂った」)考え方である。

特に、総需要不足というデフレに苦しむ国においては。

デフレーションとは、需要不足。つまりは、仕事不足である。

仕事不足である以上、企業は解雇規制とは無関係に人を解雇したい。

その状況で、解雇規制を緩和した場合、単に企業は従業員を解雇するだけの話だ。

何しろ、デフレーション。企業の従業員の生産能力に対し、仕事が不足しているのである。

供給能力が総需要を上回るデフレギャップ状況にある以上、企業はいずれにせよ人の解雇を望むのだ。

決して、

「一度、雇うと、解雇できないために雇わない」

のではない。単に、

「仕事がないため、雇わない」

に過ぎないのである。

それにも関わらず、経済学はデフレ期、インフレ期とは無関係に、解雇規制の緩和を主張する。実際に、デフレ期であるにも関わらず、失業率が上がったことを受け、

「企業は解雇規制が厳しすぎるため、一度、雇ったら解雇しにくいため、雇わない」

という神話に騙され、デフレ期に解雇規制の緩和を強行した国の実績を見てみよう。スペインだ。


【スペインの完全失業率(%)】

http://mtdata.jp/20240920-2.jpg

… … …(記事全文2,046文字)
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