… … …(記事全文3,300文字)高市首相は3月19日の日米首脳会談でトランプからホルムズ海峡の安全確保に対する「貢献」を要請された。トランプの言う「貢献」とは。ただ一つ「海上自衛隊の派遣」だ。
●自衛隊派遣は「戦争できる国」への布石
<2026年3月19日 時事通信>
トランプの要請に対し、高市首相はその場での明言を避けた(とされる)が、米国側は「約束した」と既成事実化を図っている。米国のいつもの手口だが、日米には数多くの「密約」があることを鑑みれば、高市首相が非公開の場で約束した可能性は否定できない。
<2026年3月26日 時事通信>
交戦中のホルムズ海峡への自衛隊派遣に日本政府が慎重なのは、たとえ目的が機雷除去であっても、その行為が「武力の行使」と見なされれば、憲法9条違反の疑いを免れないためだ。
一方で、日本人を乗せた45隻のタンカーは、1カ月以上もペルシャ湾内に封じ込められたままだ。透析患者をはじめとする多くの命も、石油由来の医療物資の枯渇により「綱渡り」の状況に追い込まれている。この一刻の猶予もない人道的危機感は、「自衛隊派遣もやむなし」という世論を醸成させる。
このチャンスを逃すまいと動いているのが自民党だ。日米首脳会談直後、自民党は早期の憲法改正実現を盛り込んだ2026年自民党運動方針案を策定した。
<2026年3月23日 共同通信>
同時に自民党の長島氏は、憲法改正に及ばずとも交戦地域への派遣を可能にする「特別措置法」の制定を提案している。憲法改正の有無に関わらず、日本を「戦争できる国」へと変容させる大きな一歩を踏み出した。
<2026年3月26日 ブルームバーグ>
注目すべきは長島氏が外交問題評議会(CFR)出身という経歴を持つ点だ。年末の記事で触れたように、CFRはグローバル・エリートの意志を体現する、いわばディープステート(DS)の中枢とも目されるシンクタンクだ。彼らは昨年末に日本に核武装を促すレポートを公表している。
<2025年12月 CFR機関誌「フォーリン・アフェアーズ・リポート」>
特措法は憲法の制約を事実上無効化するものだ。長島氏の古巣CFRの対日政策の一環とも見て取れる。
一説によると、高市首相はトランプの要請に応じ、ホルムズ海峡へ自衛隊を派遣する方向で検討していたが、反対する今井参与と激しい口論になったという。憲法を改正し「戦争できる国」「戦後レジームからの脱却」を悲願とした安倍元首相の遺志を継いだ高市首相なら、さもありなんの話だ。
<2026年4月号 選択>
トランプの「自分の石油は自分で確保しに行け」という突き放しは、トランプの米覇権放棄・世界の多極化・ドンロー主義と整合する。また、高市政権にとっても、交戦中のホルムズ海峡に自衛隊を派遣できるよう法整備を進める「絶好の機会」となっている。






